そして疑問は脊髄神経反射法(観歪法)にも及びました。
脊髄神経反射法は西洋医学の病名に基づいて施術します。例えば、肺の疲れ(教科書には肺労ー多分軽いセキとかに使うのでは)であれば胸椎5番と6番の右側と胸椎10番をぐーっと押す刺激を施すとされています。確かに長野式を今の施術に取り入れてなかったころ、セキに困っている患者さんに出会うと必ずこの操作を使いました。結果は上々、その場でラクになる人も結構いらっしゃいました。
しかし、ここで疑問がわきました。誰がこの病名を診断するのか、ということです。肺労ぐらいの病名でしたら、私のような西洋医学の病名区分の門外漢であってもなんとなく応用できそうですが、教科書には肺の病気にかかわる施術法として、気管支炎、気管支喘息、肺炎、肺水腫などなど色々な呼吸器疾患がのっています。そのほか肝臓のコーナーには肝炎、肝硬変、脂肪肝、膵臓のコーナーには糖尿病や膵炎、その他全身の様々な病気に対する操作法があります。たしかに手技で普通なら病院にかけこむような病気を治療できるのは素晴らしいとおもいました。これこそ私が東洋医学に求めていたことではあります。
病気の勉強に一生をかける医師の皆さんでさえ誤診率は高いと聞きます。同じ患者さんが違うお医者さんからそれぞれ違った病名の診断を受けることは日常茶飯事であります。そんな中、我々のようなたかだか数年専門学校にいって西洋医学の入り口しか学んでいないものが勝手に診断をして良いのでしょうか。もちろんお医者さんの診察を受けて来院される人がほとんどとは思いますが、ではその医師の診断が間違っていたらどうするのでしょう。あるいは患者さんが自分の病名を聞き違えていたり、思い違えていたらどうするのでしょう。本当はもっとガンなどの重い病気なのに、本当のことを教えられていない患者さんだってきっといるはずです。そんな時、我々均整師はどうこの脊髄神経反射法を使えばよいのでしょうか。
まだまだ脊髄神経反射法に対しては疑問があります。