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開業した時、チラシを配っていましたが、お一人だけそのチラシを見て今でも来てくださっている方がいます。
その方が久しぶりに来院されました。普段は首の凝りを訴えられていますが、今回は「頭のここが触るだけで飛び上がるだけ痛くて、夜もまくらや手があたったりするだけでそのまま目が覚めてしまい寝不足である」ともおっしゃります。 痛いところを診せてもらうとちょうど側頭骨の部分にあたり、経穴ではどこにあたるのでしょうか?ちょうど胆経のラインにあたる感じがします。触ってみるとそれこそビクンと飛び上がります。 クラシカルで四肢をゆさぶり、誇張法で背骨と骨盤を調整、圧痛のある右の季肋部は長野式にサン竹でゆるめます。そこでもう一度痛いところに触るもまだ飛び上がって痛みます。 どうしよう、と思いながら後頭骨をポンピングすると盛んに右手を振りはじめます。「どうしました?」と聞くと、「右手がしびれてきます」とのこと。後頭骨の操作をやめるとしびれは薄まります。では、と思い側頭骨の調整をするとここでも手のしびれは増すそうです。 首の凝りが原因かな?と思い斜角筋をさわるとここも飛び上がるほど痛むそうです。誇張法の肩関節の調整をすると斜角筋の痛みが消えます。前、中と斜角筋の痛みをとり側頭骨の痛い所を触ると少し痛みが減ります。 では、この痛みをどうとるか?側頭骨は均整法でいうと肋骨と相関関係にあたります。また、長野式(キー子スタイル)では耳の調整に肋間にある大包、スウ筋、エン腋、章門といったツボを使います。何が原因なのかはわかりませんが側頭骨と肋骨の動きが悪く、それをつなぐ斜角筋周辺に異常な痛みがでたのでしょうか? 肋間を探るとR6,7間に強い痛みがあります。場所的にいうとエン腋でしょうか。そこを押さえながら側頭骨の痛むところを触ってみます。すると「痛くない」とのこと。そのままエン腋を前から後ろに擦りながら(ちょっと痛い)数十秒、もう一度側頭骨の痛いところを今度は強めに押すと「あれ、痛くないです」。其の周りのまだ痛むところを同じようにエン腋を使うと痛みがなくなります。触って痛いところは全部とってみて今度は患者さんに自分で触ってもらうと、「痛くない、不思議だ」とのこと。これでゆっくり眠れると良いですね、とのことで施術を終わりにしました。 その2週間ご再び来院、頭の痛みは強く触れば痛む程度とのことなので今度は章門を使って側頭骨の痛みを消しました。その間、睡眠中に痛みで飛び起きることはなかったそうです。また、今回は後頭骨や側頭骨を操作しても腕がしびれることはありません。 しかし、側頭骨と肋骨の関係は面白いものです。
by kaiondo102
| 2008-09-29 16:13
| 臨床雑記
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Comments(2)
Commented
at 2008-09-29 17:02
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
kaiondo102 at 2008-09-30 23:17
のり先生
一般的な頭痛はどうなんでしょうかねぇ?長野式では側頭部の頭痛は肝胆のトラブルとしています。ですが、やってみれば肋間のツボで変化があるかもしれません。今度やってみます。
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