日々、治療雑感


均整法、長野式、オステオパシーを学び開業している一治療家の雑感
by kaiondo102
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リンパポンプを考える 2

どうやら海外ではリンパポンプ技法は風邪を始めとする呼吸器系の疾患に対して主に用いるようですが、最近色々実験してみますと筋骨格系の痛みにも効果があります。

40代の女性、産後に始まっためまいで来院されておりますが、めまい以外にも色々あります。お話を伺うと、どうも肝臓に負担が掛かっている感じがします。右の中指も痛みます。そこで肝臓に対するリンパポンプを行うとあら不思議、その場で中指の痛みがかなり軽減します。2回程施術するとその中指の痛みは指を全く施術しなくても無くなったそうです。

50代女性、この方も右手の中指の痛み(ばね指)を訴えておりましたが、肝臓リンパポンプで痛みがなくなり、動きも一生懸命中指を誇張法で操作していた時よりもスムーズになりました。

60代女性、右の四十肩のような痛み。ここ数か月、右肩が痛むということで施術をしておりました。右の鎖骨のところが特に気になるとのこと。いつも通り肩甲骨回りを緩め、鎖骨の調整をすると痛みはとれますが、数日後にまた痛みが戻ってくるそうです。数回調整しましたが、痛みの戻りが必ずあるので肝臓のリンパポンプを入れてみました。すると肩回りを操作しなくても痛みが大幅に軽減します。2回程リンパポンプをいれた施術すると3回目からは右肩の痛みがほとんど気にならなくなったそうです。

70代女性、左肩の痛み。最近ストレスが強く、すると左肩が痛くなってきたとのこと。巨闕に対してリンパポンプを行うと肩がすっと挙がります。

40代女性、左肘の痛み。こけて左肘をぶつけたそうです。曲げ伸ばしがつらく、押さえても飛び上がるくらい痛みます。そこで脾臓へのリンパポンプを行うと、曲げ伸ばしがスムーズに出来るようになり、押さえた所の痛みも大きく軽減します。2回施術したら、痛みがとれました。

その他にも肩こりや頭痛がらくになったりしました。このリンパポンプ技法を何とかの一つ覚えみたいに呼吸器疾患だけに使うのはもったいないです。色々考えればかなり応用範囲は広いはずです。

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# by kaiondo102 | 2018-10-12 23:18 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(0)

リンパポンプを考える

自分自身がアトピー性皮膚炎ということもあり、また長野式では長野先生が「長野式は扁桃に始まり扁桃に終わる」というお言葉を聞き、免疫やリンパというのは、生理学があまり良く分からない私でも少々興味のある分野であります。そしてクラシカルオステオパシーで学んだリンパポンプテクニックというのはそういった点から非常にそそられるものでありました。

クラシカルオステオパシーのセミナーの講義の中で良く出てくるのがオステオパシーが1900年初頭に流行ったスペイン風邪に大変効果的であった、というものです。このスペイン風邪に対する治療効果の高さが、アメリカの中でオステオパシーを西洋医学い並ぶ地位に押し上げた一つの要因であるそうです。またスペイン風邪であとは死を待つのみであったのが、オステオパシーによって命を救われ、それがきっかけでDOになった方も大変多かったそうであります。

当時どのようなテクニックがスペイン風邪に使われていたかはあちらのオステオパスの中でも議論があるようです。マコーネルという初期のオステオパスはリンパポンプのようなテクニックのことは一切述べず、スペイン風邪(インフルエンザ)には傍脊椎筋をしっかり緩めることが大事だ、とだけ述べていたそうです。リンパポンプが初めて公式に発表されたのは1920年ミラ―ドDOによるものとのことです。まあもしかしたらこのリンパポンプテクニックはすでにあって、スペイン風邪にそれで対処していたDOも多かったのかもしれません。そしてスペイン風邪が終息したころにミラード先生が発表されたと考えてもよいでしょう。

このリンパポンプというのは実際体内に生理学的変化を引き起こすことが実験で証明されております。ここ最近、現代医学の中で大きく懸念されているのが耐性菌の問題です。抗生物質の使い過ぎであらゆる菌が抵抗力をもってしまい、かつ新しい抗生物質の開発は非常に困難を極めている、というのは良く知られていることです。その耐性菌の問題に対し、抗生物質に代わる治療法は無いか、ということでアメリカのNIH(国立衛生研究所)という国の機関がテキサスのオステオパシー大学に依頼したのが、このリンパポンプの実験だそうです。

犬やマウスを使った実験では、リンパの胸管への流入量及び白血球数が大幅に増えることが分かり、さらにマウスですが肺炎や癌に対しても効果が見られたとのことでありました。

私も一時期はこのリンパポンプを多用しておりました。風邪で喉の痛みや鼻水が出ている方、アトピー性皮膚炎のかゆみ、花粉症など非常に即効で効果があるものでした。

ここ数年、免疫系に対してはツボでどこまでやれるか頑張っておりましたので、リンパポンプはあまり使ってはおりませんでした。ですがふと思うところがあり、またリンパポンプを使うようになりました。今回は免疫系ではなく筋骨格系の痛みに対して試しておりましたが、これもまた大変効果的であることが分かりました。




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# by kaiondo102 | 2018-10-02 23:29 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(5)

嬉しかったこと

数か月前、あるアメリカのDOから直接のメールがありました。そのDOというのはアメリカでも高名なアンソニーチラというオステオパシー医科大学のとても偉い教授先生だそうです。その先生から、あなたがジョーダン先生にメールした内容を論文に載せてもよいか?という論文掲載の許可でありました。

昨年の11月、私はベルリンのオステオパシーコングレスに出張しました。その時に受けたワークショップの一つがジョーダン先生というロバートフルフォードのお弟子さんでもあり、そのメールの差し出し人でもあるチラ先生の学生でもあった、アメリカでは珍しい手技のみで治療しているDOです。ワークショップの中で現在のアメリカのオステオパシーでは教えていないRRR(Rectul Respiratoty Reflex)という話になりました。直訳しますと直腸-呼吸反射というものになります。ジョーダン先生の話によりますと、フルフォード先生はこの反射に非常に興味をもっていたそうですが、それが実際何であるかは解剖学的にも生理学的にも分からなかったそうです。そこで、私が東洋医学の大腸経と肺経の話を簡単にさせていただくと、非常に興味をもってくださり、後にもっと詳しい事をメールすることになりました。

東洋医学では直腸は大腸経に属し、呼吸器は肺経に属します。肺経と大腸経は表裏の関係にあり、肺は魄を司り、肛門は魄門と呼ばれているといます。松本先生はこのことから尾骨の歪みを非常に重視しておりますし、また野口整体には尾骨によって呼吸器の疾患を治す治療法があるそうです。そんなことをジョーダン先生にメールしましたところ、ちょうどチラ先生もご自身の病気をフルフォード先生に治療してもらった時に、フルフォード先生からこのRRRを知っているか?と聞かれてそれを知らなかったチラ先生はご自身でもずっと興味をもっていたそうなので、それを知っていたジョーダン先生は私のメールをチラ先生に送ったそうです。

そんなことをメールしてから数か月後、チラ先生から論文掲載の許可を求めるメールをいただき、数週間前ようやくその論文が完成したとのことで、早速送ってくださいました。文体は読みづらいのですが面白いです。チラ先生が病気になり、フルフォード先生に治療してもらったエピソードやフルフォード先生のそのまた先生であったコンリーDOという昔の先生の論文をひっぱりだし、私のメールの内容と対比させておられました。

聞くところによりますと、このアンソニーチラ先生というのは滅茶苦茶凄い先生であるようです。そんな先生の論文に私の名前とその内容がそっくりそのまま使われたのは非常に嬉しい事でありました。その内にもう一度論文を精査したら、発表されるとのことです。

個人的には悲しい事が多かった今年ではありますが、そんな中でとても嬉しくなった出来事でありました。





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# by kaiondo102 | 2018-09-27 23:10 | Trackback | Comments(2)

ありがとう、クラシカル

私事ではありますが、2010年からやらせていただいていた日本クラシカルオステオパシー協会の通訳を正式に辞めることとなりました。

思い起こせば2010年の猛暑の板橋で初めてウィーク2の通訳を前会長と交代でさせていただいたのが初めての通訳でした。始まる前は膝がガクガクして滅茶苦茶緊張していたこと、昨日の事のように覚えております。ですが意外とその時の通訳が好評だったようで、その年の11月に初めてイギリスでのセミナー、また翌年は東日本大震災の後、余震でまだグラグラしている時にもイギリスへ行きました。

それから数々のイギリスのセミナーだけでなく、イスラエルやオランダ、アイルランドからドイツベルリンまで通訳として連れて行っていただきました。

国内でも尼崎や京都でクラシカルの通訳だけでなく、フォッサム先生というモダンオステオパシーの先生の通訳もさせていただきました。

いやあ、本当に楽しかったです。個性豊かで素晴らしい先生に囲まれ通訳の仕事をさせていただきました。イギリスの床がきしみシャワーがちょろちょろしか出ないホワイトホースホテル、セミナー会場近くのパブ、イスラエルの美しい風景と女性、オランダでの怪しい煙と裸に近いお姉さんが沢山いる街、アイルランドの落ち着いた街並み、などなど通訳の仕事の合間に触れる外国の香りは一生の思い出です。

セミナーが終わり、参加された皆さんとお腹がよじれるほど大笑いしながら飲んだビールも忘れられません。大人の修学旅行にぴったりの旅でした。

そんな素晴らしい先生に囲まれ、素晴らしい旅をしながらさらに有難かったのは海外のオステオパシーに触れる事が出来たことです。クラシカルを通訳をしながら学べたことは大変幸運なことでありましたし、イスラエルでは病院の中で実際マービンウォルドマン先生が、アイルランドのリトルジョンセンターではキャンベル先生がどのように治療するのか見学することも出来ました。ベルリンではクラシカルではなく、フォッサム先生やクチェラ先生、デバイン先生やジョーダン先生といった一流の先生のモダンなオステオパシーにも触れる機会もいただきました。

また何度も一緒に海外に行った会長を始めとする理事と古参メンバーの先生方のクラシカルに対する真剣な学びの姿勢、そしてクリスキャンベル先生の出会いから、クラシカルは素晴らしいと私自身が見直せたことも、私の治療家人生には大きくプラスしました。

ちょうど私の40代のほとんどをクラシカルの皆様とご一緒させていただけたこと、心より感謝しております。あっという間の8年でありました。

今年で私は50才になり、開業して20年目を迎えることになりました。そんな節目の年に通訳の仕事が終わりを迎えたのもとても不思議なご縁を感じてしまいます。

本当にありがとうございました!!!あ~楽しかった!!

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# by kaiondo102 | 2018-09-20 23:06 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

根本治療で効果を出すために 8

私は今でも身体の根本を治療すれば、出ている症状は自ずから消えていく、という根本治療に憧れを持ち、何とかそれを体現したくもがいております。そういった点では、この根本治療であるクラシカルオステオパシーとの出会いは本当に幸運なことでありました。クラシカルを知ることで、これまで自分が学んできた均整、長野式、誇張法を一つに統合することが出来ました。クラシカルの理論から東洋医学の理論を生理学的に理解することも出来ました。またそのルーティンは身体を治す全ての要素が入っていることを理解したことによって、自身の治療に対する考え方も確固としたものになってきました。個々の技法も非常に効果的であり、日々の臨床で非常に良く使わせていただいております。また、海外講師の臨床力の低さとやる気の無さに通訳しながら少々がっかりしていたところ、キャンベル先生という超尊敬でき臨床力抜群の先生に出会うことも出来ました。もしクラシカルを知らなければ、自分の治療はどうなっていたのだろうか?とたまに思うこともあります。

しかしこのクラシカルオステオパシーはこれまで失伝、あるいは失伝の危機にある根本治療の幾つかの流派と同じく、日本では存続の危機に瀕している感じがします。

それはまず日本国内において、クラシカルを学ぼうとする治療家が激減していることです。私も東京でのクラシカルの基礎コースの開催のお手伝いを昨年末と今年の前半にさせていただきましたが、そのコースへの申し来みはゼロでありました。関西でも基礎コースの募集をしたそうですが、こちらも申込者はいなかったそうです。学びたい!と熱望する治療家のいない治療法に未来はありません。

またクラシカルの団体は私が通訳をさせていただいた団体の他に、もう一つありました。しかしそちらの団体はクラシカルは効果が無い、ということで見切りをつけ、現在は他の流派のオステオパシーを学んでいると聞きます。

ATスティルによってオステオパシーは1800年代の半ばアメリカの大地で産声を上げました。そのオステオパシーはイギリスからやってきた超天才、JMリトルジョンによってスティルの教えと技術に忠実な形でヨーロッパにもたらされました。リトルジョンは多くの患者を治療し、教育機関を立ち上げ、ワーナム先生を始めとする優秀なオステオパスを育て、今日ではヨーロッパで大きく花咲いたオステオパシーの礎を築き上げました。

そのクラシカルオステパシーは広大なユーラシア大陸を越え、この極東の島国の日本にやってきました。源流に近いクラシカルがこの日本で花咲くか?と思われましたが、一旦は咲き掛けたクラシカルのその花は今や、しおれ始めているように感じます。これまでクラシカルを多くの先生が学びましたが、その学びを続けている先生はどんどん減っています。十年以上クラシカルに賭けてきた先生方も今では違う学びをされていると聞きます。また学びたい先生もおりません。残念な気もしますが、それも仕方ないのかもしれません。レベルの高い日本の治療家にはすでにクラシカルオステオパシーは必要のないものだったのでしょう。

一つの治療法が生き残っていくのは難しいものです。それが根本治療的な物なら尚更です。改めてクラシカルの日本での盛衰を見るに、その事が強く実感されたこの8年間でした。




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# by kaiondo102 | 2018-09-13 23:10 | Trackback | Comments(2)

根本治療で効果を出すために 7

以前、医道の日本で読んだのですが、私の中で根本治療の一つに当たる経絡治療の名人がそのセミナーである質問をされたそうです。その質問とは「脈が変われば治ったことになるのか?」というものでした。その先生の答えは「脈が変わったと感じても、実際に患者さんの症状がどう変化しているか伺わなければならない。脈の変化と症状の改善と常にすり合わせをしていかなければならない。脈が変わったから良くなった、ということでは決して無い。」的なことが書かれていて、非常に印象に残ったことがあります。私はこのすり合わせこそ根本治療を志す先生がやらなければならないことの一つでは、と思っています。

例えばクラシカルオステオパシーでは診断といえば施術前に身体の歪みと背骨と骨盤の歪みを診ます。そして全部ルーティンが終わったらもう一度その歪みを診直します。しかしそれだけで終わりなのです。患者さんの肩の痛みや腰の痛みがどう変化したか、まったく診ようとしません。「ほら、治療前と背骨が変わっただろう」で終わりです。そもそも太腿の外側を一発平手でバチン、と叩いただけで身体は変化しますので、その程度の背骨の変化で改善の方向にある、と簡単に考えて良いものなのか、いつも不思議でありました。ワーナム先生が背中だけみて「はい終わり」だったからといって、その生徒である現在の海外の講師陣が背中だけみて「はい終わり」というのはちょっとおかしいのではないでしょうか?素人だった人間が40年のキャリアのあるワーナム先生のやり方をそっくりそのまま真似しても、ワーナム先生レベルの情報量を患者さんから引き出し、そして治療効果も出せると思っているほうが間違いだと思います。そして二言目には「我々は症状を治すのではなく身体を治しているのだ」とのこと。あまりにも偉そうにそんなことを言われていたので、一度「その考え良く分からない、そもそも身体を治せれば症状なんてもっと簡単なはずでしょ?どうして治さないの?」と海外の講師に言ったことがありますが、無視されたのは言うまでもありません。ちなみに同じことをクリスキャンベル先生に言ったところ、「そういうことを良く言っている奴はいるな!!」と大笑いされました。

海外のクラシカルの講師たちにとって足りないのはこの経絡治療の先生がおっしゃる「すり合わせ」だったのではないでしょうか?彼らの診た背骨の変化と患者の感想、圧痛、可動域の変化、そして症状の変化をすり合わせる、という自分のプライドをずたずたにされる作業をすっ飛ばし、ちょっとした背骨の見映えの変化で治した気になってしまっていることがクラシカルのレベルを下げてしまった原因ではないでしょうか?だから目の肥えた日本の治療家にそっぽを向かれ、海外ではオステオパシーの中のマイナーな流派に留まっているのではないでしょうか?









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# by kaiondo102 | 2018-08-15 01:09 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(4)

根本治療で効果を出すために 6

何故、長野式がこれだけ日本だけでなく世界に広がったのでしょうか?一つは松本先生の臨床力であります。これは前回も書きましたように、その臨床力ゆえにハーバードで教えることになったり、また公立精神病院での鬱治療のアドバイザーになっております。しかし臨床力だけではこれまで多くの支持は得られません。私が思いますに松本先生の最大の貢献は長野先生の治療法を一般人にも解りやすく翻訳してくださったことです。そして何を翻訳してくださったか、と言いますと診断方法であります。

長野先生は脈で患者さんを診断され、それに応じて処置を決めそれに応じたツボに鍼をします。しかし長野先生のやり方そのまま学ぼうとするとまず脈診という大きな障害が立ちはだかります。しかし脈診が出来るようになるには相当の時間と修練が必要となります。一説には脈診30年、という言葉もあるそうです。

松本先生はどうやらその脈診があまりお得意では無かったそうです。そこで脈診の代わりに編み出したのが腹診を始めとする身体あちこちの圧痛による診断です。それも患者さんに「ここは痛い?どうなの?痛くないの?」と聞いていく手法です。そしてその圧痛の部位と長野先生の脈診を対応させていかれました。

勿論、圧痛を捉えることは初学者には最初は難しいものがあります。指圧マッサージの経験があまり無い先生は、なかなか圧痛を押さえることが出来ませんが脈診ほど習得には時間がかかりません。多分指圧マッサージを真剣に3か月でもやりこめば誰でも圧痛は捉えることが出来るようになると思います。

その圧痛の部位がどこかによって東洋医学的、生理学的な解釈があり、その圧痛を解消するツボが決まります。例えば左下腹部に圧痛があれば、これは東洋医学的には瘀血の症状で、生理学的には腸間膜静脈の循環不全からくる肝臓の機能障害と長野式では解釈しますが、この圧痛を解消するツボは基本的には左の中封、尺沢になります。その2穴を上手くとらえれば左下腹部の圧痛はあっという間に解消し、患者さんも押さえられても痛くないだけでなく、お腹がすっきりし始める感じを体感できます。

私はこの診断方法の簡易化、一般人化というのが様々な流派を存続させていくために最も重要な条件ではないか、と思います。創始者が超名人でありながら後継者がいない治療法は多々あると思います。例えば沢田健先生の太極療法は、沢田先生の超能力的な手の感覚が診断基準になっていたため、治療体系は一応書籍では残っておりますが、実際に太極療法を受け継いでいる方はほとんどいらっしゃらないようです。また増永静人先生の経絡指圧も、その診断の要である経絡の虚の判断が自我を無くさないと出来ないという現代人離れしているものなので、現在ではほとんどそれで治療している先生は少ないようであります。これは野口整体もそうでありましょうし、脈診を中心としている漢方や鍼灸各派も後継者の育成は非常に苦労されているのではないかと思います。

半面、松本先生は多くの達人レベルの先生を育成されました。私が学んだ鶴崎先生もそうですし、私の中では日本で一番美しい女性鍼灸師もそうです。またカナダやアメリカにも松本先生の薫陶を受けられ活躍している先生は多数いらっしゃいます。さらにそれらの先生方が松本先生のやり方をさらに簡略化され、またそれを広めております。

そう考えますと私が通訳をさせていただいていたクラシカルオステオパシーが将来的に存続していくのは少なくとも日本においては非常に難しいのでは、と感じております。実際、海外講師でも高い臨床力を持つのは私が通訳した限り、クリスキャンベル先生お1人しかいません。あとの先生方は臨床家ではなく教える方が中心の先生ばかりでした。そうなりますと、クラシカルのほとんどの国際セミナーでは、大して臨床力の高くない海外講師が、臨床力の高い日本人の治療家を教える、という複雑な光景を私は通訳しながら目にしておりました。勿論、解りやすく教えていくことも大切です。しかしその場で「おおーっ」と講習生を唸らせる先生もいなければなりません。しかしそれが出来る唯一のキャンベル先生は教えるのがあまり上手ではありません。臨床家らしく講義もその資料もあまり他の教える中心の先生ほど作り込まれてもいません。非常に感覚的であり、昔の日本の武術家の教え方もこんな感じだったのかな、と彷彿させるものであります。そのせいでしょうか、海外ではキャンベル先生はあまり人気が無いような気がします。







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# by kaiondo102 | 2018-08-06 16:48 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(0)

根本治療で効果を出すために 5

もしクラシカルや経絡治療、といった根本治療が達人の最後の業を形に顕したものだとしたら、私のような一般ピープルがそれを学んですぐに効果が出せるようになるわけはありません。江戸時代にある達人が刀を振り上げて振り下ろすだけ、という剣術の流派を作ったそうですが、結局その流派は廃れてしまったようですが、その達人がどのような事を学び、どのような失敗をして何を感じ考えてそこに至ったか知り、それを追体験しなければ、その達人の領域には近づくことも出来ないでしょう。では、どうやったらそういった達人の技を我々が使えるようになるのでしょうか?勿論、世の中にはかなり素質がある方もいらっしゃることは承知しておりますので、ここはあくまでも私レベルの全く素質の無い人に限定してのことです。

何度もこのブログで書かせていただきましたが、ここで参考になるのは長野式です。長野式とは鍼灸の治療方法であり、大分の長野潔先生といいう、それはまた名人の名人みたいな方がほぼ独力で作り上げた鍼灸の一流派であります。確か午前中と午後に長野先生は40人ずつもの患者さんを毎日治療され、非常に高い効果をあげていた、と聞きます。しかし長野先生の治療は誰にも知られることなく、そのままでは長野先生が亡くなれば長野式という体系も無くなってしまったのでは、ともいわれておりました。

ここで長野式が鍼灸師だけでなく、私のような手技療法家まで広まったのは一重に松本岐子先生の存在です。松本先生は鍼灸学校を卒業後すぐにアメリカに渡しましたが、治療の師匠を探して「医道の日本」という鍼灸の専門誌のバックナンバーを取り寄せて、自分の先生になる名人を探していたそうです。当時の「医道の日本」は今とは違い多くの臨床家たちが文章を寄稿しておりました。バックナンバーを読み漁った松本先生が目にしたのは長野潔先生の論文でした。東西医学の融合を目指し東洋医学の理論を西洋医学的に解釈するその長野先生の論文に松本先生は「この人だ」と閃いたそうで、すぐに大分の長野先生の治療院にお邪魔されたそうです。そこでは沢山の患者さんが目の前でどんどん治っていったそうです。それを見た松本先生は長野先生に師事されることを決意されました。

しかし松本先生の治療方法は長野先生のそれとはかなり違います。まず長野先生は診断においては脈診をされます。そして治療時間も長い人で20分であったそうです。かたや松本先生はお腹や背中、首、頭と全身押さえます。治療時間も私がセミナーに出ていたころは1時間から2時間かけていらっしゃいました。しかし、松本先生の治療効果はそれはまた驚くべきものであり、2000年くらいまでの松本先生の医道の日本の論文にはありとあらゆる病気を治された症例が書かれており、また医師の目の前で難病の患者を治すことによってハーバードの医学部で鍼灸を教えることになったり、また日本の公立精神病院でも鬱の鍼灸治療のアドバイザーとして参画されているほどであります。

松本先生はその治療効果の高さだけでなく、長野式を一般ピープルに分かりやすく通訳してくださいました。長野先生が感じる脈の変化を腹部を始めとする全身の圧痛に翻訳してくださることにより、脈が分からない治療家でも圧痛という診断ツールで治療を可能にしてくださいました。そういった事を学ぶことで、圧痛がリリース出来れば、すぐに一般ピープルでも効果を出せる治療形態を松本先生は作り上げました。その治療効果と学びやすくすぐに結果を出せる、ということで長野式はここ日本だけでなく、世界中に広まっております。





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# by kaiondo102 | 2018-07-30 01:47 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(0)

根本治療で効果を出すために 4

まず考えなければいけないのは、その根本治療であり伝統武術が誰によって完成され、その創始者がどのレベルの時点で世間に広められていたか、ということではないでしょうか。

それを考えてみますと、基本的にはどの治療法も伝統武術も超天才あるいは達人の創始者が最終的に到達したレベルのものが一つの流派、として世間に提供されているような気がします。例えば沢田流の太極療法では、すでに沢田先生が円熟の境地に入り始めた頃の事が鍼灸真髄に書かれております。経絡治療も柳谷素霊先生をはじめとする昭和の達人がある意味完成した治療法と聞きます。クラシカルオステオパシーではワーナム先生が基本的にルーティンを中心とする手法を打ち立てたて、大学を創立しイギリスでクラシカルオステオパシーの協会を設立したのがちょうど1980年代、ワーナム先生が70歳前後のことでありました。キャンベル先生曰く、ワーナム先生の治療が一番脂がのっていたのは70代の頃だった、とおっしゃられておりましたので、ちょうど達人レベルに達した時にクラシカルオステオパシーをさらに積極的に世に広め、同時にその凄さに魅かれた沢山の生徒がワーナム先生の大学に入学したと考えられます。

どこの馬の骨とも分からない中途半端な治療家が教える治療法より、この人は達人、名人だ、と思える先生から是非学びたい、というのは当たり前のことであり、だからこそその先生たちの下に多くの弟子が集まり一つの流派が形成されたのは当然でありましょう。

しかし、ここで問題なのはその創始者がすでに達人になってしまっている、ということです。私はワーナム先生の人生についてそこまで詳しくはありませんが、聞くところによりますとワーナム先生は30歳頃にオステオパシーをアメリカからイギリスにもってきたリトルジョンから学んだのがその始まりです。その他にもジョセリンプロ―ビーやら、エドワードホール、ダグラスマンなどイギリスのオステオパシーの創成期を担った先生から学んでいた、と聞いたことがあります。そしてワーナム先生は始めから達人ではなかったでしょう。いくらATスティルから直接オステオパシーを学んだリトルジョンに教えられたとしても、始めの何十年かはやはり患者さんを治せずに悩んだこともあるでしょうし、リトルジョン以外にも上述の先生に教えを乞うたこともあったでしょう。リトルジョンから学んだテクニックだけでなく、そういった先生から学んだ技法を色々試したこともあるでしょうし、もしかしたらオステオパシー以外にも目を向けた経験もあったかもしれません。

様々な先生に教えを乞い、沢山の患者さんに向き合い、治せたり治せなかった経験を40年した後に完成したのが現在のクラシカルオステオパシーであります。つまり今、我々が学んでいるクラシカルオステオパシーというのはワーナム先生が最終的に到達した境地の、達人、名人の業であり、あのシンプルなルーティンはワーナム先生の40年以上にも渡る学びの歴史と治療の経験の積み重ねと取捨選択の後の、「これだけやれば人は治る」というエッセンスが凝縮された最後の一滴では無いのでしょうか?

そんな凄いものを私のような才能も経験も何もない人間が学んでも、その有難さが分かることもありませんし、本来クラシカルの持つ凄さを体現出来ないのも当たり前です。いくら秘伝の武術の技を学んでも、力の強い人に掴まれたらまるで動けなくなってしまい何も出来ないのと同じであります。







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# by kaiondo102 | 2018-07-17 00:55 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(0)

根本治療で効果を出すために 3

今から約40年前、なんとか強い男になりたかった私は中学でボクシング部に入りましたが、強くなるには痛くて苦しい思いをしなければならないということを体感し、松田隆智という中国武術研究家の本と出会いました。以前も書きましたがその本には、中国拳法や日本の古流武術を学び、正しい型を修練していけば、どんな相手にも勝てるようになる。才能や筋力や体力が無くても負けない、ということが書いてありました。一方、ボクシングやレスリング、空手や剣道といった現代格闘技は、才能のある一部の人間しか強くなれない、しかしどんなに現代格闘技で一流になろうとも、伝統武術を修めている人間には勝てない、的な事も書いてありました。この松田先生の本を読んで、私はさらに中二病をこじらせてしまうことになり、ようやく40歳すぎて中二病を克服することが出来ました。

秘伝の型を学べば強くなれるか、といいますと現実はそうは簡単にいきません。インターネットの発達で伝統武術家が現代格闘技の選手たちに無残に敗れていくという動画を良く目にするようになりました。勿論伝統武術家のレベル云々はあると思いますが、かといっても現代格闘技の選手もきっとトップレベルではないでしょう。それでも伝統武術家は何もできず、一方的にボッコボコにされます。どうやらいくら秘伝の型を学んで、合気を習得していたとしいても、現代格闘技に対応した痛くて苦しい思いで練習をしなければ素人同然で手も足も出ないようであります。

なんとなく、私が通訳をさせていただいていたクラシカルオステオパシーもこの伝統武術に近い臭いを通訳を始めたことから感じておりました。確かに講義を聞くと素晴らしいです。スティルの時代から続く正しいオステオパシーであり、リトルジョンがそのオステオパシーを生理学的に解釈したため、非常に洗練されたものになっている。一つ一つの技法は常に生理学的な効果が発揮されるように出来ている。人体と重力の関係性も深く研究している、etc。とにかくその理論は通訳をしながらも心が震えるものがあり、実際に受講生と話しをすると、このクラシカルで何でも治せるような気分になる、という話を良く聞いたものです。

色々批判めいたことを書いておりますが、クラシカルから全く縁が無くなった今でも私はクラシカルは大好きです。流れるようなルーティン、長てこ技法、身体の反応の生理学的解釈などをクラシカルから通訳をしながら深く学ばせていただきました。しかし私もイギリスの講師がやっているようなやり方で治療効果を出せる感じはしませんし、それは多く受講生もそう感じ、その答えを見いだすことが出来なかったからこれまで沢山辞めていったのでしょう。実際、2トップが患者さんを治療するところを拝見しても、正直治ってるのか治っていないのか私の目には分からないものでした。

このクラシカルオステオパシーだけでなく、他の根本治療といわれる治療法各派、そして伝統武術は本来は素晴らしいものであります。しかしそれぞれどのようにしてその真髄を実際に治療で、闘いで実現出来るようになるか、という非常に難しい問題を抱えているような気が私はします。







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# by kaiondo102 | 2018-07-09 01:13 | 臨床雑記 | Trackback | Comments(2)