熱心なクラスメートに恵まれ、均整の学校の勉強が始まりましたが治療というものを初めて学んだ私にとっては大変楽しいものでした。クラスメートの中には既に、均整について先生がいたりしていた人もいて、学校の授業を少し斜に構えて、半分馬鹿にしていた人達もおりましたが、私にとっては学校の授業一つ一つが実践に役立つもののような気がしていました。
というのも週の内ほとんどが実技の授業であり、かつその内容は「こういう人はここを治療する、こういう人はここ」といういってみればパターンを沢山覚えていく感じでありました。
当時私はあるマッサージ屋さんで働いておりましたので、授業で色んなパターンの治療法を学ぶたびに、こっそり試したりまた出来ない場合は「これがこの人には使えそうだな」などとマッサージをしながら色々空想しておりました。
実際、同僚がぎっくり腰や寝違えた時は習いたての均整の技を使って痛みをとったこともありましたし(ビギナーズラック)、店のオーナー一族が来ていない時間帯には、四十肩やらの肩の痛みを随分らくにして喜ばれたこともあり、均整の技術におおいに自信をもったものです。
しかし、何せ勤めているところはただのマッサージ屋さん。均整の技術を思う存分使うのは無理でしたし、やはり実際人は治療しないと本当に腕は上がらないのでは、とおもいはじめました。
そこで、2年生になって母の病気が原因でマッサージ屋のオーナーと揉めたことをきっかけにそこををやめ、学生の身分で(勿論学校や当時来てくださった方には秘密でしたが)マンションの一室を借りて開業をすることにしました。