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鍼灸真髄の中で澤田健先生は、神経衰弱やら目や鼻や色々な病気があるが、全ては五臓六腑の乱れが原因であり、その乱れを治せばそういった様々な病気は治る、つまり五臓六腑は根本であり、様々な部位に出る症状は枝葉のようなものである。根がしっかりすれば枝葉は治る、とおっしゃられました。鍼灸真髄を確かに読みますと、五臓六腑に関係するツボを主に澤田先生は色々な症状に悩む患者さんを治療し、素晴らしい効果をあげられていたそうです。
クラシカルオステオパシーのジョンワーナム先生は、膝の痛い患者が来ても、特に膝に触ることなく身体調整を行い、身体を整えると膝は自然に良くなる、とおっしゃられています。実際、ワーナム先生の治療を近くで見られていたクリスキャンベル先生は、足を引きづってようやく治療室に入ってきた患者さんが、ワーナム先生の普通に治療すると、スタスタ歩いて帰っていった、という姿を沢山見てきたそうで、「クラシカルほど即効性のある治療法は見たこと無い」とおっしゃっています。
オステオパシーの祖、スティル先生は猫を抱いて撫でながら、突然しっぽをギュッと引っ張ったそうです。猫はぎゃっと悲鳴を上げ、スティル先生から離れていったそうです。そこでスティル先生は「猫の鳴き声が症状であり、本当の原因はしっぽである。原因に対処しなければ症状は治らない」とおっしゃられていたそうです。
身体の根本というものを整える、と謳う治療法は世に沢山あります。私が最初にお世話になった均整法は「心と身体の不調は身体の歪みとして現れる。その歪みを改善していけば心身の不調は改善していく」という哲学があります。鍼灸では、経絡の五臓六腑の乱れであったり、あとは冷えであったり、気の乱れが身体のありとあらゆる症状の原因である、という哲学をベースに治療が成り立っている流派があります。 カイロではC1が原因でそこを整えれば自然治癒力が上がり様々な症状が治っていく、オステオパシーでは背骨が、脳脊髄液の波動が、さらに大きな波が・・・といったものが病の根本の原因であるとする流派があるとも聞きます。
身体の何か根本とされるものの状態は頭や骨盤、背骨、脈、腹部、背中、あるいは全身の歪み、さらには目に見えない波動として発現し、それを整えれば血液やリンパ、脳脊髄液、神経、さらには経絡の流れが整い、指先から内臓、そして心の状態まで改善していく、というのが私の知る限りこの世にある根本治療=本治法的治療法の基本理論であります。
私はそこまで色々な治療の流派には詳しくなく本を読んだり人から聞いただけですので間違っているかもしれませんが、日本の現存する療術では野口整体や操体法なんかはそういった色合いが濃いと思います。鍼灸では今どれだけやっている人がいるのか知りませんが、澤田流太極療法は私の中でその筆頭に挙げられます。また経絡治療の流れを組む各派もそういった本治法的治療法に属すると思います。そしてオステオパシーでは私がいつもお世話になっているクラシカルオステオパシーなんかはその本治法的色合いの物凄い濃い流派だと思います。
身体の動きのバランスをとれば、背骨を脈を整えれば、お腹をふわっとさせれば身体の根本が整い、その効果が波及して枝葉である様々な症状がとれていく、というのは素晴らしい哲学でありますし、東洋医学あるいはオステオパシーの本来の姿であります。私も何とかしてそれを体現できるようになりたい、と日々試行錯誤しております。
しかしそれはあくまでも理想形であり、そういった流派を学んだからといって私のようなふつうの人間には簡単には出来ないのが実情ではないでしょうか。
by kaiondo102
| 2016-09-12 23:42
| 臨床雑記
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Comments(2)
Commented
by
Isiah
at 2016-09-29 06:05
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私もどこか一箇所施せば、たちまちオセロの駒がひっくり返るように体の不具合が改善される・・・みたいな幻想を抱いております。
ですがやっていることはセーフティバントで辛うじてセーフ、みたいな感じで理想とは真逆の結果です(泣)
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Commented
by
kaiondo102 at 2016-09-29 23:40
> Isiahさん
そんな夢のような話は私には無理だと、ようやく最近悟りました。バントを積み重ねて少しでも塁に進めれば良いですね。
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