私は太気至誠拳法気功会というところで太気拳という拳法を学んでおります。この拳法の特徴は練習のほとんどが立禅といって手で円を作ってずーっとつっ立っていたりする気功法や、這いや練といったからだをゆっくり動かす体操のような気功法が中心です。いってみればヨガや太極拳のような静かで瞑想的なものが練習の3分の2を占めます。
しかし、残りはさすが拳法と名のつくもの、実際に殴りあったり蹴り合ったりのどつきあい(組手)が3分の1を占めます。
以前にも書きましたが、30代から40代の働き盛りのおじさんが必死にどつきあいます。普通の人だけでなく、極真空手や他の空手の道場の師範、キックボクシング、シューティングといった格闘技の経験者やプロも太気拳気功会に所属し、たびたび皆仲良く殴り合います。
そんな少し過激な道場に健康に気功法を学ぶために通っている方がおりました。最初は組手を避けられておりましたが、わが道場の島田先生からも大変かわいがられているため、ついに組手に引きずり込まれてしまいました。その彼が突然私の治療院に電話で「実は先日組手で殴られて、顎がおかしくなってしまったのですが、そちらでも大丈夫ですか?」とのこと。
多分なんとかなるので来ていただき、話を伺うと、極真空手の黒帯でわざわざ富山から来ている方と組手をしたとき右の顎をひっぱたかれ、それから口を開けたりぐっと物を噛んだりすると顎が痛むそうです。
顎関節症と同じように操作すれば多分平気だろうと思い施術を開始しました。