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先日、久しぶりに私の出身母体である均整のセミナーに参加してまいりました。内容は「スポンデロセラピー入門」というもの。このスポンデロセラピーとは均整では脊髄神経反射法、または観歪法、と呼ばれているものであります。どういったものかと言いますと、脊椎を叩いたり指圧することによりその脊椎に関係する臓器を拡張ないしは収縮させ病気を治していくというものです。例えば咳なんかには胸椎の3番から7番を叩くと気管支が拡張して咳が止まるというような原理を基に、全身に応用した治療法です。 そもそもはアメリカのスタンフォード大学の医師であるアルバートエイブラムという人が開発したものです。それを日本人の児玉林平という医師が日本に持ち込みました。実際に児玉先生は東京のお茶の水で開業されており、色々な症状を治療していたそうです。私の持っている「月刊手技療法」にもその児玉先生が書かれた臨床例も掲載されており、その治療効果に右も左もわからなかった開業当時の私は憧れたものでした。 今回、そのようなセミナーに出席した理由は、治療方法を知りたいというよりスポンデロセラピーがどうやって日本に伝来して、均整法や野口整体を始めとする療術に影響を与えたか昔から興味があったからです。 驚かされたのは日本人の好奇心です。オステオパシーが誕生したのが確か1874年ですが、それが日本にはすでに1910年の頃には入ってきて、本格的には1920年の頃に入っております。スポンデロセラピーも1910年に生まれましたが、日本には1917年には入ってきております。カイロも1893年に出来たものが1916年には日本に入ってきております。インターネットもアマゾンも無い時代です。日本からアメリカまで行くのに一か月かけて船に乗っていった時代でした。そんな海外だけでなく国内においても情報のやり取りが大変だった時代に、海外の海のものとも山のものとも分からない手技療法を英語で学び、日本にもってきた先人たちの努力と好奇心には頭が本当に下がります。そしてそれらを礎に日本の手技療法を近代化し、さらに発展させていった歴史も凄いと思わされました。きっと野口先生も亀井先生も、「これは凄いじゃん!!」なんて目を輝かせて辞書を引きながら原書を読み込み、さらにそこから新しい技術を作り上げていったのかもしれません。そんな事を考えると、滅茶苦茶ワクワクします。 そのマニアぶりは現代の治療家も引けを取らないようです。私も以前オステオパシーの通訳をしていた時、参加されていた先生方の中にはありとあらゆるオステオパシーを学んでいた先生がゴロゴロおりました。高いお金と自分の治療院を休みにして、海外へ何回も渡航され、オステオパシーを学ばれておりました。そういった先生方から私はクラシカル以外のオステオパシーの事を沢山教えていただきました。 過去から現在までそんなマニア(オタク)の学びと臨床の積み重ねが日本の手技療法を世界一のものにしている、と改めて実感させられました。 講師の先生も非常に博識で均整に真剣に取り組まれている感じが伝わって、とても気持ち良いものがありました。また、このブログを読んで均整を学ぶことに決めた、という好青年ともお会い出来ました。有難いことです。 そんなこんなで私の好奇心を十分に満たしていただけた3時間であり、またこんな歴史系のセミナーがあればぜひ参加したいな、と思わされた久しぶりの均整セミナーでありました。
by kaiondo102
| 2018-12-12 23:38
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Comments(2)
Commented
by
Isiah
at 2018-12-16 23:14
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私は先生のブログを読むだけでワクワクします!
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Commented
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kaiondo102 at 2018-12-17 22:28
それは嬉しいお言葉!来年もよろしくです!
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