オステオパシーの誇張法では頬骨、蝶形骨大翼、前頭骨を左右から5グラムの圧で押して、動きのある方と無い方を判断、動きのある方にやはり5グラムの圧で押さえることにより頭蓋骨の動きがよくなる、という手法を使うそうです。(まだオステオパシーの講習は一回しかでておらず、頭蓋骨の講習は12月にあるため、テキストを参考にしました)
そこで化学物質過敏症の患者さんの頬骨、蝶形骨大翼、前頭骨を左右からすこし押すといずれも右から押した方が硬く感じられました。患者さんも右からおさえられるとメマイがする、とのことでした。
そこでまずチェックのため頬骨の右側を押さえると「気持ち悪い」。次にどうかなと思いながら章門を角度を変えて何回か押さえると頬骨を押さえた不快感が無くなる、とのこと。そこで頬骨は触ったまま、章門をy法で刺激し、もう一度頬骨をチェックすると「平気」。続いて、蝶形骨大翼、前頭骨を同じ手法で操作すると先ほどのような不快感はなくなったそうです。とはいってもメマイがなくなるほどではありませんでした。
澤田流では「内臓は発電所、脳は変電所」とのことで頭より五臓六腑の治療に重点をおき、長野式でも頭に対しては頭部オ血処置くらいしかなく、オステオパシーほど頭を重視してはいない感がしました。きっとこれは東洋人は腹で考え、欧米人は頭で考える伝統のため、東洋で発達した鍼灸医学には頭を重視する考えはすくなかったのであろうし、野口体操の創始者もその著書で脳は内臓が作り出したのではないか、ということを述べていたので私はまず腹だ、と思い長野式を勉強してきました。
しかし、精神的な疾患をもつ患者さんに対して私の出来る長野式の腹部治療があまり奏功せず、見よう見まねでやってみた頭の操作に今まで無かった手ごたえを感じました。しかし、どこかにその腹部と頭部をつなげる架け橋があるのでは、東洋と西洋の伝統的な治療をどこかで繋げられないかと色々考えておりました。そして章門がその突破口になるのでは?と考え始めておりますが、考えすぎでしょうか。