鶴崎先生のセミナーはまず第一回であるということで長野式の概要からの説明になりました。
長野先生は長野式は扁桃に始まり扁桃に終わるということ、松本先生は曲池三点といって曲池から手三里までの間で扁桃の反応点である天ヨウがゆるむところを確実に見つけ、そこに刺鍼する。また、長野式のツボにはそれぞれなぜ使われるかというのには意味があり、肩井の圧痛は陰稜線でとるが、それは僧坊筋の起始は胸椎11番の周辺にあり、そこには脾経のユ穴である脾ユがあるため、陰陵泉→脾ユ→僧帽筋→僧帽筋にある肩井と刺激がいき、肩井がゆるむ。
オ血の反応点である左の天枢、大巨は肝経にある中封でとるが、この封というのは中国語では斧にあたり金穴になり、肝は木なので金属の斧で、木を切るという意味がある。
難経ではおへその左は肝の反応、右は肺の反応、上は心、下は腎、おへそ自体は脾となっているがなぜ肝の反応がおへその左にでるかというと、ちょうどここには肝臓に通じる門脈を及び、上下腸間膜静脈があり、弁がないため血が逆流しやすくそこからオ血になる。また、肝臓での処理がおくれてもそれらの静脈の流れが悪くなるので、生理学的にみても肝臓の反応点となる。また、おへその右が肺の反応ということも、ちょうどこのエリア(天枢から大巨)は盲腸の周辺になり、リンパが集まっている。肺はからだの一番表面を守り生理学的には免疫の機能にあたり、喉の扁桃腺が風邪ではれるとこの盲腸のリンパも腫れるのでここは肺の反応点にあたるなどなど当時私が知りたかった腹部の圧痛とその生理学的、解剖学的、東洋医学的な意味合いをすべて分りやすく学ぶことができました。
そして、実際の治療も長野式を手技で行うには大変参考になりました。