昨年よりオステオパシーを自分の治療に積極的に使い始め、なるべくオステオパシーだけの技術だけで治療をようとしておりますが、まだまだ素人に毛が生えたようなもの、いざというときは長野式の経穴に頼ります。
先日、一例ですがびっくりするほど効果があったのは踵の真ん中にある、失眠というツボです。
昨年の終わりから来られている70代の女性、かなりひどい腰痛を訴えられています。聞くと、右の下腹部から腰が痛いとのこと。30代の時に盲腸の手術を受け、直後に癒着のため、再度手術になったそうです。その後、特に問題は無かったのですが、昨年のはじめより腰と下腹部が痛み始め、歩くのも立っているのもつらいそうです。横須賀からこられていますが、電車では無理な為、娘さんが車で送ってくださるそうです。
痛みが強い場合はクラシカルオステオパシーの技術は使わず、すぐうつ伏せで誇張法で背骨を調整していきます。背骨を調整後、骨盤隔膜の左右、横隔膜の圧痛をとって長野式で右の下腹部の圧痛をとっていきます。そして、座位でもう一度L5から誇張法で腰椎を調整していきます。最初の3回は座位の時に「やっとお腹と腰がらくになってきました。」とおっしゃられましたが、「奥の方がうずきます」と訴えられます。なんとか誇張法の技術でとれないか、と思いましたが、奥の方の痛みはとれません。
4回目に来られたとき、ふと失眠のことを思い出しました。このツボ、松本先生曰く「肩や腰の奥の方が痛いときに灸をすると良い」と医道の日本で読んだことを思い出しました。そこでうつ伏せで背骨を調整、「今どうですか?」と聞くとやはり「まだ奥の方が痛いです」。そこでかかとの真ん中を押さえてみました。すると一箇所ぽこっとして圧痛がある場所があります。そこをぐるぐるK法で刺激してみました。
すると「なんだか腰の奥の方が暖かくなってきました」とのこと。「効くじゃん」と思いながら失民を刺激すること数分間、「腰の奥の痛みがなくなりました。」とのことでした。
その後数回来られていますが、腰の奥の痛みは無くなったそうです。連れて来て下さっている娘さんも「最近随分調子が良いようです」とおっしゃって下さいました。
やはりツボは凄い。長野式も忘れずに勉強しなくては、と思った症例でした。