日々、治療雑感
2019-08-29T00:38:04+09:00
kaiondo102
均整法、長野式、オステオパシーを学び開業している一治療家の雑感
Excite Blog
ありがとうございました。
http://kaiondo102.exblog.jp/30760392/
2019-08-28T20:53:00+09:00
2019-08-29T00:38:04+09:00
2019-08-28T19:03:07+09:00
kaiondo102
未分類
理由は特にないのですが、強いて言うなら21年この稼業をやりながら、全く自分は何もわからない、という事をここ半年くらい実感しており、そんな何も分からない人間が偉そうにあーだこーだ言うのがおかしい、との思いがどんどん強くなってしまいました。あと、パソコンをわざわざ開けるのも面倒なこともあります。
という事で、これまでお読み下さった皆様、本当にありがとうございました😊
また何処かでお会い出来るのを楽しみにしております!
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ホムンクルスの小人 1
http://kaiondo102.exblog.jp/30728254/
2019-08-06T23:38:00+09:00
2019-08-06T15:09:35+09:00
2019-08-06T15:09:35+09:00
kaiondo102
臨床雑記
左の肩甲骨回りをゆるめ、前腕をぞうきん絞りにしようとすると「痛い」。手首は雑巾絞りができますので行きやすいほうにしばらく捩じると反対方向へも動きやすくなります。するとぐーぱーは出来るようになりましたが、また手を振ると前腕の筋肉が痛いとおっしゃります。前腕をひねることもまだ出来ず、筋肉を何か所か抑えてみると三焦経ラインに強い圧痛があります。
この女の子は精神的にアップダウンがかなり激しいので、松本岐子先生のDLPFCに当たる経穴周辺を触りますと、一か所ぽこっと凹んでいて、強い圧痛がある部位があります。その凹みに指を当て、前腕の圧痛を抑えるとあら不思議、凝りがふわっと緩みます。そこで前腕の痛いところを数か所、DLPFCのツボでゆるめます。すると手を振っても「痛くない」。その3週間後にまた予約をしてくれましたが、その時は前腕は全然痛くなかったです。
慢性痛やうつの人は脳のDLPFCという部位が萎縮すると確か松本先生はおっしゃっておりました。そこで先生はそのDLPFCがある部分の上の頭のツボがDLPFCに効果があるのでは、ということで頭臨泣や正営や目窓といったツボに刺鍼され、効果を挙げられているそうです。そしてツボを選ぶときは確か凹んでいたり圧痛があるところを選んで刺されているとのこと。ということは頭の凹みは内部の状態を顕しているのでしょうか?そうなるとDLPFC部位だけでなくても、身体の運動や感覚に関係する部分にも何らかのサインが顕れているかも、と思いホムンクルスの小人を参考にして、患者さんの頭を触ってみました。
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頭の操作
http://kaiondo102.exblog.jp/30533306/
2019-04-09T23:22:00+09:00
2019-04-09T18:10:27+09:00
2019-04-09T18:10:27+09:00
kaiondo102
臨床雑記
頭を手に載せ親指を耳の前に当てます。耳の前に当てますと私の親指の傾きが違うので頭の左右差が本当に分かります。ここで手の平にかかる圧を常に均等に保つようにしておりますと、その圧力がすーっと軽くなったりぐーっと手を押してくる感じがします。頭の左側の圧力が軽くなると右側の圧力が強くなります。しばらくすると今度は反対になります。頭の右と左で互い違いに動いている感じです。
その動きにしばらく着いていきますと、だんだん顔の左右差が減ってきて均等になります。ある程度の年齢の方でかなりこの左右差がきつい方は一度誇張法の頸部の操作をするとちょっとだけその左右差が減るようです。そこからまた後頭部に手を当てるとさらに左右差が減ってきます。そして耳の前に当てった親指の傾きの左右差も減ってきます。
そんな施術を40代の女性にやっておりました。そもそもは右の背中が急に痛くなって私の施術所にいらっしゃいましたが、背中の方は3回程施術すると痛みは無くなりました。非常にお綺麗な方ですがお顔の左右差が気になってしまうので後頭部に手を当てておりました。頬骨と上顎骨の右側が左に比べて下がっていたのが、随分その差が減ってきました。すると3回目の施術の時、「右の上の歯が痛くなくなった、きっと先生の施術のお蔭です」とおっしゃられました。詳しく伺いますと、右の歯の奥にずっと痛い箇所があり、ご主人が歯医者さんなので何度も調べてもらったり、噛み合わせを調整してもらったり色々したんだけど変わらなかったそうです。ご主人も「何だろう」と最終的には分からなかったそうです。が一回目の施術をここで受けて以来その歯の痛みが無くなってしまったそうです。
するとその女性の小5の息子さんが乗り物酔いが酷いから診てくれ、ということで施術をお願いされました。やはり頭の左右差が非常に強いです。仰向けに寝ている顔を上から見ていると、左の方が右より1㎝くらい高い感じがします。右の後頭部が膨らみ、左が削げている感じです。
C2を緩めて頭を私の手に載せしばらくそのままキープします。するとまた頭が左右でウネウネ動き段々顔の左右差が減ってきました。首を誇張法で操作し、もうしばらく後頭部に手を当てておりましたら随分左右差が無くなりました。
施術後しばらくしてお母さまからメールがあり、あの時の施術以来乗り物酔いをしなくなったそうです。
寝違いとかで首の動きが悪い方の頭をしばらく手に載せていると、今度は逆に首の動きが改善することもありました。
いったい私が感じているこの動きは何なのでしょうか?確かにオステオパシーでは頭が膨張収縮を繰り返し、それに応じて頭蓋骨の個々の骨が動く、と聞いたことがありますが、私の感じるような動きをするとは聞いたことがありません。あるいはこの動きは私の勘違いということも充分に考えられます。その頭の左右差を見てしまった事で手が勝手に動いているだけで頭は全く動いていないのかもしれません。
いずれにせよ頭を手に載せているだけである程度の効果がありますから、それで良しとしましょう。
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つわりの施術
http://kaiondo102.exblog.jp/30519489/
2019-04-01T18:38:00+09:00
2019-04-01T18:38:07+09:00
2019-04-01T18:38:07+09:00
kaiondo102
臨床雑記
女性は20代前半、予定日は11月半ばとのことです。つわりは午前中は何とか耐えられるのですが、午後からどんどん調子が悪くなり、昼過ぎからずっと寝込んでいるそうです。ということで早速施術を開始しました。
体重も落ちてしまったせいか凄い細いです。身体中の緊張が強いです。ということで背筋を気になる所全部ゆるめ骨盤と背骨を調整しました。仰向けになると胸郭が扁平で呼吸が浅い感じです。帯脈の緊張が物凄く、軽く摘まむと「ぎゃっ」となります。復溜を押えますが緩みが今一つです。太衝を押えた方がすっと緩みます。太衝を押えながら左右の帯脈をゆるめると胸郭が膨らみ、呼吸が深くなったのが感じられたそうです。肩甲骨内縁をゆるめ、首筋をゆるめ、頭蓋骨を調整しました。そこで立っていただくと「随分楽」。
2回目に来院されたときは、一回目はお母さまが一緒に来られていたのですが2回目にいらしたときはお1人でした。「どう?」と伺うとあの日から随分つわりが減ったそうです。頭がぼーっとする感じも無くなったとのこと。10が4に減ったそうです。そこで同じような調整を行うとさらに楽になってきたそうです。
つわりの方にはこの帯脈をしっかりゆるめることがどうやら重要な感じがします。私は深いところから浅いところまで掴みながら3層の圧痛をまずとります。次にこの方のように帯脈の反応の強い方にはさらに指先で前、中、後方と押さえ圧痛や不快感があればそれをとっていきます。するとぺったんこになっていた胸郭が膨らみ呼吸も深くなります。横隔膜がしっかり動き始めたことにより、お腹の循環が良くなることでつわりの症状が無くなるのでしょうか。
一年くらい前にもひどいつわりの方を施術したことがありました。この女性も20代半ば、立っていると気持ち悪いのでずっと横になっていなければならないそうです。私の施術所までは車で横になって来られました。この方も強い反応が帯脈にありましたが、多分ここが一番の震源地と思い、最初帯脈は外して施術をして一度立っていただきました。するとまだ気持ち悪い。そこでもう一度寝ていただき、帯脈を緩めました。この女性も確か帯脈の圧痛を内、中、外、前、中、後と左右とった記憶があります。すると次は立っていただいても気持ち悪いのが大きく軽減しました。
改めて帯脈を緩める重要性を確認したのと同時に、この帯脈の治療を開発した長野式を知っていて良かったなぁと思わされた症例でした。
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子宮口が開かない
http://kaiondo102.exblog.jp/30486568/
2019-03-25T01:29:00+09:00
2019-03-25T01:29:26+09:00
2019-03-25T01:29:26+09:00
kaiondo102
臨床雑記
とはいえ、主訴はあとちょっとで予定日が迫っているのにお腹の赤ちゃんが全然降りてこないこと。また検診では子宮口も開いていない、と言われたそうです。帝王切開には絶対になりたくないとおっしゃられます。
早速施術を始めます。仰向けになってみるとお腹が非常にいびつです。左の下部肋骨から上腹部がそげるように凹んでいます。赤ちゃんがお腹の右側によっているようです。患者さんに左右の季肋部に両手を置いていただくと、ご自身でも形が全然違うのが実感できました。ご本人曰く、喉も鼻も左側がずっと変だったとおっしゃられます。
足首を股関節を良く回転させ、帯脈、鼠径部の圧痛をとります。横向きで腰方形、臀部をゆるめ背骨と骨盤を調整、仰向けになっていただき肩甲骨の内縁、C2をゆるめ軽く頭を調整しました。そして最後に左右の骨盤隔膜をゆるめます。まだ喉と鼻に違和感がありますので、鼻には大都、喉は照海を緩めると違和感がかなり軽減したとのこと。
始めの施術で随分左の上腹部の凹みは膨らんできました。右に寄ったお腹も少し真ん中に戻ってきました。また立っていただくと少しお腹も下がってきています。
三陰交にお灸をお願いし、家から施術所まではゆっくり歩いてくることをお願いし、それから一日おきに3回きていただきました。
2回目の後、検診に行ったら子宮口が開き始めていると言われたそうです。またお腹もどんどん下がって、鼠径部に私の手を差し込むことも出来なくなりました。またお腹ももう一段階大きくなっています。お腹の緊張がとれたせいか、お腹の子の成長に最後のスパートがかかかったのでしょうか?
4回目の施術の次の日が予定日です。健闘を祈り、一旦施術を終えました。
どうだったかな?と思っているとその一週間後に無事に生まれたとの電話がありました。出産も高齢で初産の割には6時間で終わり、非常にスムーズだったとのこと。施術のお蔭ですと、何度も感謝していただきました。
出産に際してはお腹の形が綺麗だと良いようです。おへそを頂点として上下左右均等に丸みを帯びていること。また出産前には色々なトラブルがありますが、基本的には帯脈、鼠径部、腰方形筋、臀部、肩甲骨内縁、骨盤隔膜を緩めるとほとんどのトラブルが解消するようであります。
妊婦さんの施術は部屋の中が明るくなるようで、非常に私は好きであります。そして「無事生まれた」というお言葉を聞く度、この仕事をやっていて良かったといつも思います。
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産後の施術
http://kaiondo102.exblog.jp/30450372/
2019-03-07T22:43:00+09:00
2019-03-07T12:16:46+09:00
2019-03-07T12:16:46+09:00
kaiondo102
臨床雑記
一番苦労するのはしゃがむことです。膝の角度が45度になると膝のお皿とその上が痛むそうです。ということで早速施術を開始しました。
うつ伏せで膝をあれこれ動かしても痛くないそうです。ですが仙骨を上から押さるとかなり痛みます。背筋の緊張も強く背中に二本のくっきりした筋が見える感じです。
いつも通り骨盤と背骨を軽く整え、仰向けになってもらいました。この状態で膝を色々動かすも全然膝に痛みはでません。産後の不調の方に共通しますが、この方も帯脈の緊張が物凄いわりには、お腹の弾力性がまったくありません。ということで帯脈をゆるめ、肩甲骨、首、頭を軽く操作し終わりにしました。立っていただくとさっきより深くしゃがめます。凸凹操作をするとかなり深くまでしゃがめます。まだお若いし、こんな感じで大丈夫だろう、ということで2回このような調整を行いました。ですが3回目にいらしたときも膝は痛いままでした。確かに施術後は膝の痛みはかなり軽減するものの、すぐに痛みがもどってくるとのこと。
3回目からはうつ伏せの状態で脊柱起立筋の緊張をゆるめるようにしました。かなり強い圧痛があります。下から上まで手三里でゆるめます。それに加え、骨盤の動きがもうちょっと滑らかになるように、なんちゃってAKAを入れました。すると、それ以降は施術後の状態がどんどん良くなり、計6回の施術で膝の痛みも無くなったので、終了としました。
その母乳相談室のお蔭で開業して少ししてから産後の不調に悩む方を施術する機会が多かったです。だいたいそういう方はお腹に力がまったくありません。普通お腹を押さえると、皮下脂肪を感じ、そして腹筋の存在を感じます。しかし産後の不調の方は皮下脂肪や腹筋の抵抗感を全く感じません。ずぶーっと指が入っていきます。また膝や股関節、手首、足首と関節の痛みを訴えるかたもいらっしゃいます。特にそれが今回の女性のように両方の関節が痛む時は、その痛い関節には問題が無いことがほとんどです。やはり産後の骨盤の戻りが影響しているのでしょうか、骨盤を整えるとそういった関節の痛みは良くなるようであります。
やはり若いから、といって簡単に施術を終わらせず、緊張の強いところは必ず緩める必要があるな、と反省させられて症例でありました。
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患者さんの身体を動かすこと 4
http://kaiondo102.exblog.jp/30435328/
2019-02-26T23:16:00+09:00
2019-02-26T18:27:43+09:00
2019-02-26T18:14:48+09:00
kaiondo102
臨床雑記
クラシカルでは体調の悪い患者さんには必ずリズムの失調がみられるとのこと。それをクルクルユラユラ技法によってリズムを回復させバイタルフォースが正常化(バイタルフォースの正常化は本来の表現ではありませんが、私の語彙ではこれが限界ですのでお許しを)することで疾患が克服される、と考えています。均整では手足をクルクルしたり背中をゆさぶるような技法を「運動性刺激」と呼びます。そしてこの「運動性刺激」の働きは細胞を賦活させると学校時代に学びました。クラシカルや均整の言うことはまるでテナント先生がおっしゃっている事そのままである気がします。
ではその反対の可能性は無いのでしょうか?テナント博士は筋肉から半導体である筋膜を介して一方通行の臓器への電気供給とおっしゃられていますが、臓器の操作でその臓器が司る筋肉群が賦活することです。私は下腹部にある膀胱経の募穴である中極をポンピングして膀胱経の痛みや凝りをとったり、先日は足の脾経の違和感を脾臓ポンプでとったりしましたが、これは臓器から筋肉への電気供給ということにはならないのでしょうか?もちろん直接膀胱や脾臓を揉んでるわけではありませんので、なんとも言えませんが・・・。
過去に自分自身が均整のクルクルユラユラ技法で効果を出すことが出来なくなったり、クラシカルの国際セミナーでは海外の講師たちがその場で患者さんの不調を改善出来たのを見た事がほとんど無かったため、このクルクルユラユラ技法とは無意味な技法であると思っておりました。しかしよくよく考えてみますとクラシカルや均整だけでなく、このように患者さんの身体を動かす技法はあらゆる手技療法の流派に存在します。その存在はイコールその技法の有効性を意味します。またイスラエルのセミナーで見たように、高齢者の慢性疾患に対するクラシカル有効性は否めないものがあります。結局、このクルクルユラユラ技法を無意味なものにしていたのは己の知っていることと拙い経験のみで他を判断していた自分自身の視野の狭さでありました。
今年で開業して二十一年目を迎えることになります。初めて自分は何も知らないし、何も分からない、ということが分かってきた平成最後の年であります。
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患者さんの身体を動かすこと 3
http://kaiondo102.exblog.jp/30414530/
2019-02-14T23:02:00+09:00
2019-02-14T16:50:07+09:00
2019-02-14T16:50:07+09:00
kaiondo102
臨床雑記
Youtube を見ておりますとこの人体の電気的性質を研究されている海外の何人かの医師の講演がありました。その中のお1人はテナント博士という眼科の先生で、ご自身の病気をきっかけに色々調べたら、健康な細胞が機能し、さらには新陳代謝がスムーズに行われるためには一定量の電圧が必要だということが分かっった、と講演の中でおっしゃられています。そして博士曰く、慢性疾患というのは臓器の電圧が低下し、健康な細胞を作り出せていない状態である、とのこと。
ではこの臓器に必要な電気をどこから得るか?その一つは圧電性の性質を持つ筋肉の運動からであるそうです。それも経絡線にそった筋肉の一群が活動することにより電気が発生し、それを最近超はやりの半導体としての性質を持つ筋膜が介し、その経絡を司る臓器に電気が送られるとのことであります。ですから臓器の細胞に必要量の電気を送るには、運動は欠かせないともおっしゃっています。一方「閃く経絡」の中でキーオン先生は筋膜に圧電性があり、その圧電気が代謝を促進させると書かれております。
いずれにせよ筋膜、筋肉それぞれが動きの中で電気を作り必要な臓器へ送っているのでしょう。
そう考えますと、老化は臓器の委縮を伴うとのことですが、だんだん高齢になって動けなくなり、活動量が低下することによって必要な電気を自ら発電しないため、臓器の萎縮に繋がることも考えられます。
ということは、活動量が低下しているお年寄りに対して、クラシカルのルーティンでやるような施術者が患者さんの四肢や体幹をユラユラクルクル動かしてあげることは電気の発生を普段より促進させているのかもしれません。それが故にイスラエルでの研修では高齢の患者さんに対しては効果が上がっていたのかもしれませんし、私が老人ホームで施術をしているおじいちゃんの反応も5g髪の毛一本の誇張法的な施術よりユラユラクルクル技法の方が反応が良かったと考えられます。
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患者さんの身体を動かすこと 2
http://kaiondo102.exblog.jp/30399773/
2019-02-05T23:50:00+09:00
2019-02-05T17:25:22+09:00
2019-02-05T17:25:22+09:00
kaiondo102
臨床雑記
いつも通り治療をしようと誇張法的に背骨を操作しましたが、何となく私の手に伝わってくる反応が今一つな気がしました。そこでクラシカルのオシレーションをふとやってみました。するとおじいちゃんの身体の反応が良い感じがします。なんか背中がすこし元気になった感じです。
それから3回ほど出張しておりますが、足のむくみは随分無くなりました。動作が以前より機敏になってきたとご家族から教えていただきました。またご本人も、以前より本が読めるようになってきた、とのこと。もしかしたらこのユラユラクルクルテクは高齢の方に良いのかも、と思うようになりました。
イスラエルでのクラシカルの「神」の臨床を拝見していたとき、確かにこのユラユラクルクルは身体の痛みや中年以下の慢性疾患にはほとんど効果が無さそうでした。若い男性の睾丸痛、若い女性の確か頸部痛、中年男性の糖尿病の神経障害、先日書いた60代女性のぎっくり腰にはその場での変化も全く無いだけではなく、ある程度の回数を重ねていても症状の変化はほとんど無いようでした。ロンドンでの臨床研修でも痛みに対してはほとんどその場で変化が見られない症例ばかりでした。その為、自分の中ではこのクルクルユラユラはほとんど意味の無い技と考えておりました。
しかし、このおじいちゃんにクルクルユラユラをやって良い反応を得てから思い出したことがあります。それはイスラエルの研修では確か高齢者の治療は非常に良い感じであったことです。もちろん高齢者ですからその場での大幅な改善は期待できません。しかし治療の回数を重ねている高齢者は皆症状が軽減しており、非常に「神」の治療に満足されているようでありました。
ということはこのユラユラクルクルテクはその場の痛みには対処出来ないが、何か別の良さがあるのではと色々YouTubeを当たってみることになりました。
そこで興味を引いたのが人体の電気的な性質であります。
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患者さんの身体を動かすこと
http://kaiondo102.exblog.jp/30387902/
2019-01-29T23:16:00+09:00
2019-01-29T18:41:18+09:00
2019-01-29T18:41:18+09:00
kaiondo102
臨床雑記
私も早速その勉強会に出席させていただきました。その中で、腕や脚をクルクル回したり、引っ張ったり、揺らしたり、と一通りの技術を学び、その技法の流れの中で体形を調整し、個々の症状に対してアプローチすればよい、と教えていただきました。実際にそのクルクル技法をやってもらうと、身体もスッキリします。なんとなく均整の施術とは何かということが自分なりに見え始めたため、それもあって均整の学校の二年生の時に開業をしたのが今から20年前のことであります。
とはいえ、全く未熟であった私はそこで学んだ技法を数少ない患者さんに使っておりましたが、開業に3年目にそういった技法では歯が立たない方が続けていらっしゃり、腕や脚をクルクルしたり揺さぶったりする技法だけでなく、均整自体にも大きく失望し、それから長野式や誇張法を学び始めました。
そんな経験をしておりましたので、クラシカルオステオパシーに出会った時、私が過去に行っていたクルクル、ユラユラ技法と非常に類似しておりましたので、ある意味驚き、がっかりしたのも覚えております。
そして案の定、海外の講師たちは高い講師料をふんだくる癖に、痛みに対してはまったく臨床で何の結果も出せない現実を通訳しながら見せつけられてもおりましたので、自分の中ではこのクルクル、ユラユラ技法はほとんど効果の無い技法、もし効果があるとしたらせいぜい少しは患者さんの身体を緩めることが出来る技法、という位置づけになっておりました。
自分の視野の狭さや未熟さを吐露するのは悲しいのですが、このクラシカルのようなクルクル、ユラユラ技法、実は身体に対してとても意味を持ち有益な技法ではないか、と最近ようやく感じるようになりました。
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上肢のしびれ
http://kaiondo102.exblog.jp/30365417/
2019-01-16T23:33:00+09:00
2019-01-16T16:02:12+09:00
2019-01-16T15:58:57+09:00
kaiondo102
臨床雑記
50代男性、左肩から手先までの痛みとしびれ。昨年の8月に旅行に行って、仲間とお酒を飲んでいたら左上肢がしびれ始めたそうです。治るかな?と思ってほっておいても改善せず、痛みはひどくなっていったそうです。お医者さんに行くと、頸椎の何番かがつぶれていると言われたそうですが、特に治療も無かったとのこと。
早速施術をします。ご本人いわく、何もしなくてもしびれているが、頭を上に向くとズンッと腕に衝撃がくるそうです。多分、斜角筋の緊張だろう、と思い施術をします。
うつ伏せで骨盤と背骨を調整します。すると「なんか背中が痛くなってきた」とおっしゃいます。右の背中がぎゅーっと痛いとおっしゃいます。D5から10くらいまででした。左会陽を押さえ、そこの圧痛をとります。
仰向けになる前に一度座っていただいて、上を向いてもらいます。「痛い」。でも腕は何となく軽くなったそうです。
仰向けで帯脈、右肩甲骨回り、そして左肩甲骨回りをゆるめます。頸椎と頭を軽く調整、左腕をぐ―パーしてもらうと、少し楽になってきたそうです。そして今マイブームのリンパポンプを十発くらい、さらに腕が楽になってきたそうです。そこで斜角筋を緩めます。長野式の痺れのツボである経渠を押さえながら、斜角筋の痛いところを全部とります。
すると仰向けの状態では随分腕が楽になってきたそうです。座っていただき、もう一度上を向いてもらうと、先ほどよりは楽に上に向けるようになりました。そこで凸凹操作をしてもう一度上を向くとさらに楽、頸胸部の凹みを抑えながら斜角筋の圧痛をもう一度とります。もう一度首を上に向けていただくと「だいぶん痛くない」とのこと。痛みの度合いを伺うと10が4くらいに減ったとおっしゃられます。
同じような施術をあと2回してほとんど痺れは気にならなくなったので、終了としました。
他にも60代男性お1人と40代男性お二人が同じような時期に左腕の痺れを訴え来院されました。年が明けてから60代男性が右腕の痺れで来院されておりますが、今のところ2回同じような施術をしましたが随分楽になってきたそうです。
基本的には斜角筋を緩めると良くなったのですが、では何で左の斜角筋が緊張したのでしょうか?年末に来られた皆様のお話だと、仕事が忙しくストレスも大だったとのこと。そのせいで斜角筋が緊張したのでしょうか?ストレスで心臓に負担がかかって、そこから斜角筋にまで緊張が伝わったのでしょうか?
いずれにせよ、斜角筋をゆるめることで皆様改善してくださった症例であります。
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なんちゃってAKA 5
http://kaiondo102.exblog.jp/30245852/
2018-12-30T17:14:00+09:00
2018-12-30T17:14:30+09:00
2018-12-30T17:14:30+09:00
kaiondo102
臨床雑記
仙骨が前後左右あらゆる方向に微妙に動くことで、全身のありとあらゆる動きが可能になっているのではないでしょうか。勿論仙骨自体の動きは荷重を支える、という性格上非常に少ないのですが、しかし少しの動きがあるからこそ背骨や股関節、膝から肩までありとあらゆる全身の関節が自由に動くのでは、と常々夢想しております。
そしてそのベアリングの動きをスムーズにしてあげるためには、なんちゃってAKAや誇張法のような、5g髪の毛一本分動かす、という身体の無意識の抵抗を引き出さないような圧での操作が大きな効果をあげる感じがするのです。
勿論、グイっと捻ってボキっということでも上手く出来れば私の考える仙骨の微妙な動きを取り戻してあげることも出来ると思います。しかしそれが出来るようになるためには相当の練習と臨床経験が必要な気がするのです。それよりは5g髪の毛圧のほうが私のようなヘボでも安全にかつ非常に効果的に仙骨の動きを取り戻してあげられる気がします。
あらためて誇張法を学んで良かったな、と思う平成最後の年の瀬でありました。
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なんちゃってAKA 4
http://kaiondo102.exblog.jp/30227159/
2018-12-19T23:04:00+09:00
2018-12-19T19:03:52+09:00
2018-12-19T18:57:58+09:00
kaiondo102
臨床雑記
なんちゃってAKAをやっているとふと思い出してしまうのがイスラエルのワークショップの事であります。クラシカルの「神」と呼ばれる先生がイスラエルの総合病院のペイン科でクラシカルオステオパシーで治療をされております。その「神」がどう実際の患者さんを普段どう治療するか、目の前で見ながら学ぶことの出来る贅沢なワークショップでありました。
その初日の朝一発目、なん十分か通訳をしたところでしょうか、急患がやってくることになりました。確か60~70歳くらいの急性腰痛の女性の患者さんでした。なんてラッキーなのでしょう!!「神」がぎっくり腰を治療するところを目の前で見れるのです。私もちょうどその頃、ひどい坐骨神経痛の患者さんを日本に残しイスラエルに来ておりましたので少しでも「神」の技を学ぼうと思いました。
患者さんは車いすで連れてこられました。かなり痛みがひどいみたいでなかなか動けなかったと思います。確か右の仙腸関節周辺の痛みを訴えていたと思います。なんとか治療台の上にあおむけになり、施術が始まりました。最初は腕をルーティンっぽくクルクルしていたと思います。「うーん、やはりぎっくり腰でもルーティンで攻めるのか」とワクワクしていた覚えがあります。しかし腕を少しクルクルしたらルーティンをやめ、両足首を腋窩に挟み「引っ張るのと押し込むのどちらが良いか?」と患者さんに聞かれ、確か引っ張る方が良い、と言われたのでしばらく「神」は牽引されておりました。
十分くらい牽引されていたでしょうか、その牽引していた両足首を治療台に「神」は戻され、ここで治療が終わりになり患者さんに起き上がっていただくことになりました。スッと起き上がれるか、と思ったところ中々痛みで起き上がれません。ようやく立ち上がり、また車いすに何とか座りました。私の目には全く痛みが変化したようには見られませんでした。ある意味、非常にショッキングな光景でした。神の技が全く効果がありません。痛くてやってきて痛いまま帰っていきました。まるでそれより何年か前の私が良く直面したのと同じ状況ではありませんか。逆の意味で本当に驚かされました。その結果にびっくりしたのは私だけでありませんでした。ある理事の先生もその結果に驚かれ、後々「もっと出来たのでは」と話しをしたのを覚えております。
きっと「神」がこのなんちゃってAKAをご存じであれば、もうちょっとあの女性の痛みを軽減してあげられたのではないか?と今でもよく思い出します。
一応その「神」の名誉の為に申し上げますが、その後の臨床見学ではパーキンソン病を始めとする種々の難病を改善せしめており、穏やかで謙虚で患者さんからの信頼も非常に厚い先生でした。「神」の治療時の美しい姿勢や患者さんのハンドリングなど、通訳しながらも大変勉強になっただけでなく、イスラエルの美しい女性たちに感動することも出来た素晴らしいワークショップであったと付け加えさせてください。
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久しぶりに
http://kaiondo102.exblog.jp/30215531/
2018-12-12T23:38:00+09:00
2018-12-12T22:41:47+09:00
2018-12-12T19:31:49+09:00
kaiondo102
未分類
そもそもはアメリカのスタンフォード大学の医師であるアルバートエイブラムという人が開発したものです。それを日本人の児玉林平という医師が日本に持ち込みました。実際に児玉先生は東京のお茶の水で開業されており、色々な症状を治療していたそうです。私の持っている「月刊手技療法」にもその児玉先生が書かれた臨床例も掲載されており、その治療効果に右も左もわからなかった開業当時の私は憧れたものでした。
今回、そのようなセミナーに出席した理由は、治療方法を知りたいというよりスポンデロセラピーがどうやって日本に伝来して、均整法や野口整体を始めとする療術に影響を与えたか昔から興味があったからです。
驚かされたのは日本人の好奇心です。オステオパシーが誕生したのが確か1874年ですが、それが日本にはすでに1910年の頃には入ってきて、本格的には1920年の頃に入っております。スポンデロセラピーも1910年に生まれましたが、日本には1917年には入ってきております。カイロも1893年に出来たものが1916年には日本に入ってきております。インターネットもアマゾンも無い時代です。日本からアメリカまで行くのに一か月かけて船に乗っていった時代でした。そんな海外だけでなく国内においても情報のやり取りが大変だった時代に、海外の海のものとも山のものとも分からない手技療法を英語で学び、日本にもってきた先人たちの努力と好奇心には頭が本当に下がります。そしてそれらを礎に日本の手技療法を近代化し、さらに発展させていった歴史も凄いと思わされました。きっと野口先生も亀井先生も、「これは凄いじゃん!!」なんて目を輝かせて辞書を引きながら原書を読み込み、さらにそこから新しい技術を作り上げていったのかもしれません。そんな事を考えると、滅茶苦茶ワクワクします。
そのマニアぶりは現代の治療家も引けを取らないようです。私も以前オステオパシーの通訳をしていた時、参加されていた先生方の中にはありとあらゆるオステオパシーを学んでいた先生がゴロゴロおりました。高いお金と自分の治療院を休みにして、海外へ何回も渡航され、オステオパシーを学ばれておりました。そういった先生方から私はクラシカル以外のオステオパシーの事を沢山教えていただきました。
過去から現在までそんなマニア(オタク)の学びと臨床の積み重ねが日本の手技療法を世界一のものにしている、と改めて実感させられました。
講師の先生も非常に博識で均整に真剣に取り組まれている感じが伝わって、とても気持ち良いものがありました。また、このブログを読んで均整を学ぶことに決めた、という好青年ともお会い出来ました。有難いことです。
そんなこんなで私の好奇心を十分に満たしていただけた3時間であり、またこんな歴史系のセミナーがあればぜひ参加したいな、と思わされた久しぶりの均整セミナーでありました。
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なんちゃってAKA 3
http://kaiondo102.exblog.jp/30175087/
2018-11-21T01:35:00+09:00
2018-11-20T16:16:57+09:00
2018-11-20T16:16:57+09:00
kaiondo102
臨床雑記
何故そんなに浅くなるか、ということに関してはそれぞれの先生が「だってそっちの方が効果があるんだもん」的な表現をされておりますが、最近の皮膚の研究によって、皮膚それも表皮には脳内の神経伝達物質が存在するということが分かり、いわゆる接触鍼はそれも刺激しているのでは、という話を聞いたこともありました。
身体にはそれに加わる衝撃に無意識に反応しているのでは、と良く思うのです。階段を降りると片足が着地したときには体重の何倍かの衝撃が足から骨盤にかけて掛かるはずです。ですが身体はその着地時の圧を感じ取り、足から骨盤、さらには全身の靭帯や腱といった組織をその圧に応じて締めてそれぞれの構造体の形状を維持している、ということはないのでしょうか?そのお蔭で片足で着地してもそちら側の骨盤が上に思い切りずり上がることもありませんし、フックで左の前頭部を殴られても、前頭骨が右に大きくズレるということもありません。実際に安静の状態で膝関節の固有受容器に圧がかかるだけですぐに心肺機能に変化が起きるそうです(スタイルズDOのYoutube 講義より)。つまり人体全ては常に外部から加わる力や圧を常にキャッチしその力や圧で身体の形状を崩さぬよう、あるいは機能の変化に適応するよう無意識に反応を作り出しているということは考えられないでしょうか?
そうなりますと、骨盤を矯正するからといってグイーッと捻って、体重をドンと落とすようなやり方で果たして骨格を矯正したり、関節の動きを良く出来ているのでしょうか?逆にドンという圧を感じた身体は瞬間的に身体の支持組織を緊張させて、その圧に抵抗してしまう、ということはないのでしょうか?
その身体の圧への反応を上手く騙し、支持組織に抵抗をする気を起こさせず緩めていく手法が誇張法でよく言う5g、髪の毛一本分動かすことなのかもしれない、となんちゃってAKAだけでなく誇張法で背中を調整してると思わされます。
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