日々、治療雑感


均整法、長野式、オステオパシーを学び開業している一治療家の雑感
by kaiondo102
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カテゴリ:セミナー 海外 通訳( 60 )


ありがとう、クラシカル

私事ではありますが、2010年からやらせていただいていた日本クラシカルオステオパシー協会の通訳を正式に辞めることとなりました。

思い起こせば2010年の猛暑の板橋で初めてウィーク2の通訳を前会長と交代でさせていただいたのが初めての通訳でした。始まる前は膝がガクガクして滅茶苦茶緊張していたこと、昨日の事のように覚えております。ですが意外とその時の通訳が好評だったようで、その年の11月に初めてイギリスでのセミナー、また翌年は東日本大震災の後、余震でまだグラグラしている時にもイギリスへ行きました。

それから数々のイギリスのセミナーだけでなく、イスラエルやオランダ、アイルランドからドイツベルリンまで通訳として連れて行っていただきました。

国内でも尼崎や京都でクラシカルの通訳だけでなく、フォッサム先生というモダンオステオパシーの先生の通訳もさせていただきました。

いやあ、本当に楽しかったです。個性豊かで素晴らしい先生に囲まれ通訳の仕事をさせていただきました。イギリスの床がきしみシャワーがちょろちょろしか出ないホワイトホースホテル、セミナー会場近くのパブ、イスラエルの美しい風景と女性、オランダでの怪しい煙と裸に近いお姉さんが沢山いる街、アイルランドの落ち着いた街並み、などなど通訳の仕事の合間に触れる外国の香りは一生の思い出です。

セミナーが終わり、参加された皆さんとお腹がよじれるほど大笑いしながら飲んだビールも忘れられません。大人の修学旅行にぴったりの旅でした。

そんな素晴らしい先生に囲まれ、素晴らしい旅をしながらさらに有難かったのは海外のオステオパシーに触れる事が出来たことです。クラシカルを通訳をしながら学べたことは大変幸運なことでありましたし、イスラエルでは病院の中で実際マービンウォルドマン先生が、アイルランドのリトルジョンセンターではキャンベル先生がどのように治療するのか見学することも出来ました。ベルリンではクラシカルではなく、フォッサム先生やクチェラ先生、デバイン先生やジョーダン先生といった一流の先生のモダンなオステオパシーにも触れる機会もいただきました。

また何度も一緒に海外に行った会長を始めとする理事と古参メンバーの先生方のクラシカルに対する真剣な学びの姿勢、そしてクリスキャンベル先生の出会いから、クラシカルは素晴らしいと私自身が見直せたことも、私の治療家人生には大きくプラスしました。

ちょうど私の40代のほとんどをクラシカルの皆様とご一緒させていただけたこと、心より感謝しております。あっという間の8年でありました。

今年で私は50才になり、開業して20年目を迎えることになりました。そんな節目の年に通訳の仕事が終わりを迎えたのもとても不思議なご縁を感じてしまいます。

本当にありがとうございました!!!あ~楽しかった!!

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by kaiondo102 | 2018-09-20 23:06 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

ベルリンオステオパシーカンファレンス

11月17日から19日までベルリンで行われたオステオパシーカンファレンスに日本クラシカルオステオパシー会長のお伴通訳として参加してまいりました。伺うところでは、オステオパシーのカンファレンス(学会というのかな?)ではヨーロッパでもっとも大きいものであり、物凄い人数の参加者でした。多分600~700人くらいは来ているのではないか、とのことでした。
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最初の2日の午前中はアメリカのDOやヨーロッパのオステオパスが一人30分で講演をします。オステオパシー博物館で有名なジェイソンハクストンさん、あとは有名なアメリカのクチェラ先生やスタイルズ先生、ノルウェーのフォッサム先生、ICOのマービンウォルドマン先生、他にも沢山錚々たるメンバーでありました。
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午後及び最後の日の午前、午後はそれぞれの先生に分かれてワークショップです。ほとんど講義のワークショップもあれば実技中心のワークショップもありました。

通訳として参加させていただきましたが、とても楽しい三日間でありました。講義は次から次なので内容もほとんど覚えられませんが、クチェラ先生の呼吸循環モデルはたいへん面白かったです。またクリスチャンフォッサム先生の講義も流石見せてくれます。

ワークショップは会長と私は別々のに参加しました。会長は最初の2日間はアメリカのDOのほとんど講義のワークショップに参加してしまったためお辛そうでしたが、最後の一日は午前中はたまたま私と一緒のクチェラ先生のワークショップ、午後はフォッサム先生のワークショップで講義と実技が本当にうまい感じで組み込まれているので、大変満足されておりました。

私は最初の二日はフォッサム先生ご推薦のアリゾナの大学病院のオステオパシー手技治療部門の一番偉くほとんど手技だけで治療している先生の実技中心のワークショップでした。カウンターストレインの主に使っており、その技法をもって筋骨格系の痛みだけでなく内臓や筋膜、リンパ系に対してもアプローチされている先生です。長野式を学んだ経験から、私はずっとカウンターで背部兪穴を緩めれば内臓の治療になるのでは、と思っておりましたが、やはりやっている先生はいらっしゃるようです。
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その先生が初めてカウンターを内臓やリンパの治療に用いたそうでした。カウンターのテンダーポイントとチャップマン反射点、そして経穴は重複するとことが多い、とのこと。あらためて東洋医学は進んでいるな、とその講義を受けて思いました。フォッサム先生ご推薦だけあって、素晴らしい先生でした。空軍時代に日本に来られたこともあって、懐かしそうに「また行きたいな~」とおっしゃっていたのが印象的でした。一人体調の悪い参加者がいましたが、カウンターで数か所リリースして、上胸椎をドックでさらっとアジャストします。流石臨床経験40年の動きでありました。

最後の日の午後はあの有名なロバートフルフォード先生の晩年の5年間指導を受けた、これまたアメリカでは珍しいオステパシーの手技だけで開業しているDOのワークショップでありました。フルフォード先生の生涯と学びと治療の遍歴、実際にフルフォード先生がその晩年に用いられていたテクニックを教えていただきました。フルフォード先生のワークショップでの治療動画なども見させていただきました。きっと日本のフルフォードファンの先生方は絶対に出席したいワークショップではなかったでしょうか。
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その先生もとっても良い先生でした。やはり手技だけで勝負されているだけあって、フルフォード先生以外にも沢山の事を学ばれているようです。参加者も10人弱とのんびりでしたので、その先生から「どこで何年くらい臨床やっているのか?」と質問されたことをきっかけ色々お話させていただきました。

日本の整体のことも少しお話させていただいたら、そこから松本岐子先生は知っているか?という話になり、実は私は松本先生のお弟子さんから長野式を学び、鍼でやらず手技でやっていることをお伝えしたら「メールくれ」と名刺をいただきました。その先生のご兄弟が鍼灸師で松本先生の治療ビデオを見たことがあるそうです。先生は「キーコは素晴らしい!!!」と絶賛しておりました。本場のDO絶賛されるキーコ先生、長野式を学んだ私も大変うれしく誇らしく思いました。

ベルリン滞在中は会長にお世話になっただけでなく、JOPAというオステオパシー団体の会長先生にもお世話になりました。本当に素晴らしいい3日間でありました。とても楽しかったですが、日本に帰国してすぐに現実に引き戻されました。

ですがそういった素晴らしい先生方からお話を伺うたびにクラシカルオステオパシーや均整、東洋医学の素晴らしさを逆に感じてしまう旅でもありました。

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by kaiondo102 | 2017-11-26 16:38 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

あと一週間

来週の11月3日から尼崎でアイルランドの名オステオパス、クリスキャンベル先生が来日され3日間のワークショップが開かれます。キャンベル先生とは今年の4月にアイルランドの先生の治療院、6月のウィーク4でイギリスでお会いしましたので、今回は今年で3回目の通訳となります。

キャンベル先生の素晴らしいところは、クラシカルオステオパシーを純粋に追求していること、理論と臨床がダイレクトに繋がっているところ、そして何を聞いても答えてくださるところです。リトルジョンの教えだけでなく、そこから自分がどのように発展させてきたかご自身の意見も教えてくださいます。さらに他の先生には出来ないような失礼な質問を私は時折先生にぶつけますが、嫌な顔一つせず楽しそうに答えてくださいます。
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そして何よりも素晴らしいのが実際に治せることです。

この6月にウィーク4でイギリスに行った時のことです。実技の練習で人が足りなかったので私も皆さんに加わって練習しておりました。その時私は両方の肘が痛く、クラシカルの中のいくつかの技が出来ません。私の肘はアメリカでレスリングをしていたときに痛めてから、何かあると痛くなり、ここ数年ずっと最初は右ひじ、次に両方の肘がずっとじくじく痛んでおりました。時折勉強会で施術してもらい、少しずつ痛みはあと2割のところまで和らぎました。

私の肘が痛い、ということを横で聞いていたのがキャンベル先生です。すると休み時間に「ちょっと来い、肘診てあげる」ということで呼ばれました。ちょうどセミナー室の入り口のところでしたが立ったままで「どこが痛む」と聞かれ「右の肘の内側、この辺」と指で痛いところを差します。ちょうどツボで言えば少海のところです。

するとキャンベル先生は私の右ひじを片手で把持、もう一方の手で右手をつかみ「内臓と同じように治療する、まずは圧迫」と言い右手の方から私の痛い部分へ圧縮をかけます。次に「そのままバイブレーションをかける・・・ほらバイタルフォースがやってきた」と私の右ひじに右手から圧縮をかけながらバイブレーションをかけます。「バイタルフォースに満ちたら、動きを与える」といって手首を回旋しながら肘の屈曲伸展を何回か繰り返します。

するとどうでしょう、その場で右肘の痛みは無くなってしまいました。ものすごい感動しました。やっぱこの人は出来る!!さらに素晴らしいのはあれから4か月経ちますが11月にもうすぐなろうとする今現在まで全く右肘は痛みません。

その時キャンベル先生はその右肘の治療をイギリス人のマーク先生に見せながらやっておりました。「じゃあ左はマークやれ」ということでマーク先生が私の左肘の治療をしてくださいましたが、大先生を目の前にしてビビッており、ちょこっとやってくれたらさーっとどこかへ逃げていきました。お蔭で左の肘はまだ痛かったのですが、帰国後の自分の勉強会でF先生に指ひねりをやってもらうと左肘も良くなってくれました。

なかなかその場で痛みをとってくださる先生というのは少ないものです。また理論は色々教えてくれるのですが実際にその場でやれる人は少ないということは皆さんもご承知のことだと思います。特に身体を治す的なクラシカルではなおさらでありました。ですがそのクラシカルをずっと追い求め、一日20人近く治療しているキャンベル先生はいとも簡単に私の肘を治してくださいました。ほんと感動でした。

その先生とまたお会いできるのは本当に嬉しいです。他のセミナー受講生のご迷惑いならないよう、合間を見ながら相変わらず失礼な質問をぶつけようと思っております。



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by kaiondo102 | 2017-10-25 23:49 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

Find it, Fix it, Leave it alone!

Find it, Fix it, Leave it alone, というオステオパシーを学ぶ皆様がよく目(耳)にするスティルが遺した格言の一つであります。これは日本語に訳すと「見つけて、それを治療したら、あとはほっとく」という感じの文章で日本では紹介されております。この日本語の訳を目にされて、皆さまはいかが思われますか?私は最初の2つの「見つけて」と「それを治療したら」というところは別に問題ありません。ですがとても引っかかるのが最後の「あとはほっておく」という文章です。

確かに辞書で訳を調べますと leave it alone は「ほっとけ」と書いてあります。ですが日本人の我々としてこの「ほっとけ」という文を見たら、どう感じるでしょうか?私は見放されたような、言われた人に「あとは知らないよ」と言われているような感じがします。

英語ではよく深く心が傷ついている人にたいして「そっとしておいてあげよう」的な意味合いで「leave him alone」という言い、その彼の悲しみやささくれだった心が落ち着くまで見守ってあげながら、一旦距離を置く的な表現があります。いってみればこの場合は否定的な距離の置き方ではなく、肯定的な距離の置き方を現すときに使います。そう考えますと、日本語訳の「ほっておく」というのは私はどうしてもスティルが言わんとしていることをなるだけ正確に表現した訳とは思えないのです。

日本クラシカルオステオパシー協会から通訳と文献の翻訳をお願いされてから、今年で7年になります。特に通訳は最初のころとにかく必死でした。英語も20年ぶりに再び付き合いが始まり、とにかく先生の口から放たれる英語を少しでも聞き漏らすことのないように、訳せるように頭をフル回転させて通訳しておりました。しかし、だんだん英語との再会も落ち着き、外国の先生方のしゃべりにだんだんついていけるようになってきますと、なるべく正確に意味を伝えたい為、今度は英語と日本語の差が気になってしょうがなくなりました。以前もこのブログで書きましたように、英語と日本語は私にとって全く別の言語であります。

英語はどんどんものを分けていきます。誰が話したのか、いつのことなのか、それは一個なのか複数なのか、その一個はどの一個なのか・・・・。日本語は逆です。英語で自分の事を指す"I"も日本語になると私、僕、おれ、わたくし、吾輩、拙者、だけでなく、お父さん、お母さん、先生、などその時に状況と人間関係に合わせて、自分の呼称を変化させていきます。それどころか会話の中では「私は」という主語をつけることもありません。現在、過去、未来、あまり時制も明確な形で使い分けることもありません。私はこの差を英語はニュートン力学的であり、日本語は量子力学的であると感じますが、あまり大それたことは今は述べません。

英語と日本語はその体系が異なるだけでなく、さらには日本文化と英語圏文化の考え方も違います。ギリシャ哲学にその端を発し、キリスト教の影響を強く受け、ルネッサンスを経て発展してきた西洋文明を基にした英語と、縄文文化に端を発し、逆に海外からの思想、文化、宗教、技術を積極的に飲み込んできてそれを日本化していった日本文化を基にした日本語は、それを調べれば調べるほど私にとってその英語と日本語の差は果てしなく離れたものになっていきます。

その違いだけでも困ったものなのに、同じ英語でも誰が話すかによってその個人のフィルターを介しますので、少しずつ意味合いが変わってきます。アメリカの開拓時代を生き抜いて、家を建て、水を確保し、食料と獲るところから全て自分でやらなければならなかったATスティルと、ある程度文明的であった環境から育ち、肉体労働より知的労働が主であったであろうJMリトルジョンではオステオパシーに対する見方が違って当たり前です。その彼らから学び、日々自分の治療院で多く慢性疾患の患者を診ているクリスキャンベル先生と、日々西洋医学の病院で自分自身の科学的根拠を証明し続けなければいけないマービンウオルドマン先生とでは、同じクラシカルオステオパシーといえども、同じ言葉ではありますが、その意味合いはかなり違ってきます。

さらに困ったことに、それを通訳するときは私のフィルターを介するということです。私もアメリカで3年間生活したとはいえ、基本は日本で育ち、日本語を使ってきた人間です。さらにその治療のバックグランドは身体均整法と長野式鍼灸という東洋医学であります。ですから私から出る日本語訳はどうしても日本文化を基にした東洋医学臭い、療術臭い言葉になってきてしまいます。果たしてそれで本当に良いのだろうか?どこまで正確に伝えることが出来ているのだろうか、ふと考えますと怖くなる時があります。

明後日からまたイギリスに行ってきます。今回はウィーク4といってクラシカルオステオパシーの正会員であるMICOのテストを参加者の皆さんは受けられます。また通訳をしなければならないと考えますと、どうしてもこんな事を思ってしまいます。

ちなみに一番初めの” Find it, Fix it, Leave it alone" はどのような日本語が良いと思いますか?私はこの言葉を訳す時は「見つけて、それを治療したら、あとは自然に任せる」というように訳しております。一応、キャンベル先生に私の訳を確認したところ、「素晴らしい、スティルの言っていた言葉より良い!」とのお褒めをいただきましたが、オステオパシーを学ばれる皆様はどう感じられるでしょうか???

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by kaiondo102 | 2017-06-18 21:16 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

アイルランドに行ってきました。

もう一か月も前のことになってしまいましたが、4月の初旬にイギリスとアイルランドに出張に行ってまいりました。いつものように日本クラシカルオステオパシー協会の通訳としての参加でした。

初日はロンドンでInstitute of Classical Osteopathy主催のカンファレンスがありました。4人のスピーカーが登壇、オステオパシーの生理学的な裏付けについてお話されておりました。そのうちのおひとりはキャロラインストーンという女性の超有名なオステオパスであったそうですが、もう一か月も経ちますと何をお話されていたかさっぱり覚えておりません。ただ、臓器は腹腔の中で浮いていなければならない、とおっしゃっていたことだけは記憶に残っております。

そのカンファレンスは夕方に終わり、日本のチームはそのままヒースロー空港に行き飛行機でアイルランドのダブリンに行きました。その次の日からは協会のアドバイザーであるキャンベル先生の治療院で3日間のワークショップが行われました。

経営形態がどのようになっているのかはっきりと判りませんが、キャンベル先生の治療院はリトルジョンセンターといって、オステオパシー治療だけでなく、看板には理学療法、ヨガ、食事指導、カウンセリングなどの診療科目(?)が書かれておりました。先生の他にあと2人のオステパスがいるようで、キャンベル先生はそこでディレクターをやっているそうです。予約をとるための受付の方も2人いらっしゃって、患者さんがひっきりなしに来院します。

午前中は一応講義、午後はキャンベル先生とあともう一人の女性のオステオパスの治療を患者さんが了解してくれた場合のみ見学、というスケジュールでした。講義があったとはいえ、一日10人弱の治療は見学させていただいたと思います。

キャンベル先生の治療はとても早く、だいたい一人当たり10分から長くても20分くらい、それでも患者さんは十分に満足されているようです。初診の患者さんの治療も二人くらい見学しましたが、さささーっと治療があっという間に終わったにもかかわらず、主訴へのアプローチもほとんどせず、あるいは全くしなかったこともありましたが、お二人とも満足そうに次の予約を入れて帰られました。

ワークショップは講義もありましたがほとんどが感覚のワークのような感じでした。良く覚えておりませんが、皆で一人の身体に手を当て生命力が充実してくる、あるいはその手を置いて部位に満ちてくるのを待つ、というクラシカルオステオパシーっぽくないことを練習しました。ただ、手を当てているのではなく、その感覚を保ちながらルーティンを行うとのこと。あと印象的だったのはある患者さんを実際治療していたとき、キャンベル先生が頭蓋骨を調整しながら、その時見学に来ていたフランスのオステオパスも含め、足や膝、お腹や肩に皆で手を当てるように申し付けられました。私は確か肩に手を当てていたと思いますが、キャンベル先生がふと「左足と左ひざ、もうちょっと治療に参加するように」とのお申し付け。本当に先生はその患者さんの生命力とそれに対応する皆の手の何かも感じているようです。

また講義も先生の感覚的な話が非常に多くて通訳をするのが大変でした。いわゆる脳脊髄液の作り出すといわれている膨張収縮の感触ではなく、その膨張収縮を作り出す根源的なフォースを感じろ、とのこと。通訳をするのも難しかっただけでなく、私にはその感覚がまーったく解りません。他の参加メンバーの多くは理事のI先生の身体呼吸療法という感覚的な治療セミナーに長年出席されているとのことなので、飲み込みは早かったようです。皆様がもういいかな、と目で同意されているのに私は一人全くその感覚がわかりません。あるいはもう手を当てているのに飽きているけど皆様はまだ何か感じて手を放しません。キャンベル先生もそうですが、会長を含め今回の参加メンバーの感覚の鋭さはすごいです。自分だけが落ちこぼれた感じが正直しました。

ここまでずっと症状をとることが治療で、そればっかり追ってきました。しかしいくら技を開発してもモグラたたきのようなもので、患者さんの生命力を感じ取ることが出来なければ、いつまで経ってもモグラたたきのハンマーを増やしているにすぎません。ここ数年、何か自分には足りないものがあるとずっと感じてきましたが、その自分に足りないものを改めて突き付けられたアイルランドでありました。それでもこの一年くらいは患者さんの身体に耳を澄ましているつもりですが、まだまだでありました。

ダブリンはと言いますと、町の真ん中に川が流れこじんまりとしてとても良いところでした。若ければ、家族が居なければ一年くらい住んでみたいなとも思いました。会長や理事をはじめとする参加メンバーには本当に良くしていただきました。ありがたいことであります。そんな先生方にキャンベル先生の感覚話を的確にお伝えすべく、もっと通訳を磨いていかなければとも思わされた、とても濃い3日間でありました。









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by kaiondo102 | 2017-05-18 01:27 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(0)

もうちょっとお腹

最近ふとしたきっかけで始めた手のひらお腹療法。意外と効果的なので色々な人に試しております。とはいえ私の施術所には身体の痛みだけでいらっしゃる方はあまり多くないので、全員には出来ません。

高校二年生の女の子。軽いパニック障害で学校に行けない日があるとのことで来院。肩こりもひどいとのこと。肩が凝るのは僧帽筋の所で、肩井を押さえると強い圧痛があり仰向けで肩をすくめてもらうと凝り感が強くなります。

肩井の痛みは長野式では骨盤内の循環異常ということで陰陵泉を使います。脾経ですので、難経のお腹の脾領域であるおへそに手のひらを載せ肩井を押さえると「痛くない」。左右の肩井をおへそでゆるめて肩をすくめてもらうとラク。座ってもらうと「肩が軽い」とおっしゃられます。

50代前半の女性。インフルエンザになって薬を飲んだら調子悪く、右の後頭部から背中までの凝りがひどいとのこと。薬で肝臓に負担が来て右の背中が凝るのかなと思い、期門を押さえると気持ち悪いそうです。仰向けで右の手の平を背中に差し込み凝りを確認、難経の肝領域は左の下腹部、長野式ではちょうど左天枢と大巨になります。ここに手を載せもう一度背中の凝りを確認すると「痛くない」。だいたいD5からD10くらいまでこれで圧痛をとり、右のC2を押さえるとここも凝りが強いので引き続き同じように施術。すると「痛くない」座ってもらうとまだ少し右の背中が張るので、凸凹で調整すると「痛くない」。

40代後半の女性、以前はひどい左股関節痛でしたが最近の調子は良いとのこと。ですが仰向けで膝を立ててもらい右に傾けてもらうと大転子から左の仙骨にかけて少し痛むそうです。帯脈を緩めると大転子の痛みは無くなり、仙骨だけになります。ちょうど膀胱系になりますが、子午の関係を考えると肺と対応し、難経では右の下腹部、長野式では右の天枢大巨に当たります。そこに手の平を載せ、もう一度膝を右に倒すと「痛くない」。

50代前半女性、右の肘が痛むそうです。何もしなくてもずきずき痛み、動かしても痛みます。肩甲骨回りを緩めると自発痛が減ります。肘を私がぐっと握りますと痛みます。右ひじは肝臓と関係すると考えますので、左の天枢大巨に手のひらを当て、もう一度肘をぐっと握ると「痛みが減る」。しばらくその状態にしてもう一度握ると「痛くない」。もう一回うごかしてもらうとまだ三焦経に違和感を感じます。三焦経のお腹の対応点をもう疲れて考えられないので、薬指を捩じります。薬指の動きが整ったところで肘を曲げ伸ばししてもらうと「平気」とのこと。

痛む箇所とお腹のツボの関係を考えてそこに手のひらを置く、簡単腹部手のひらツボ療法。こんなんで変わるのか?と私自身がびっくりします。正確にツボを探す必要もありません。べつにぐっと押さえることもありません。ただ治療点かなと思われる所に手のひらを当てるだけです。

勿論上記の症例はいずれもその場の痛みが改善しただけで、治ったということではありません。ですがこんな軽い刺激で人様の身体が変わるなんて、あれだけツボに親しんできたつもりの私も本当に驚かされます。

ツボという小さな点だけで考えるだけでなく、経絡という考えから指で操作したり、領域という考えで手の平を置く、ツボという考えを利用することで私のように感覚が鈍い人間もある程度効果的な施術が出来るようになります。やはりツボは面白いですし、これを遺して下さった東洋医学の先達、そしてその教えを分かりやすく通訳・翻訳してくださった長野先生、松本先生には心より感謝であります。

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by kaiondo102 | 2017-01-29 17:18 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

フォッサム先生セミナー終了!

先週末、本当に開催できるか不明だったJACOの国際セミナーが無事開催され、大成功の裡に終わりました。今回の先生はいつものクラシカルの先生ではなく、先日も書きましたノルウェーのクリスチャンフォッサム先生。ヨーロピアンスクールオブオステオパシーの副校長、カークスビルでの研究教育臨床に携わり、現在ではノルウェーのオステオパシー大学で准教授をされております。その大学でも研究教育と臨床に携わりながらヨーロッパからアメリカまで、セミナーであちこち引っ張りだこの今最も売れているオステオパスの一人なのかもしれません。


ESO
の副校長をやっているときにそのすぐ近くにワーナム先生の大学があったため、時折訪れてはワーナム先生とよくランチをされていたそうです。それだけでなくロバートフルフォードを始めとするアメリカの有名なオステオパスはほとんど逢ったことのある、オステオパシーの全てを知るのではないか、という物凄い先生であります。


今回のセミナーではオステオパシーの哲学と歴史から話が始まり、呼吸と循環を基本としジンクの筋膜理論というのを使いながら、4つの隔膜の診断、そこから導き出される治療法、それぞれの隔膜へのアプローチ、リンパの解剖・治療などなど、
3日間で講義も実技もみっちりとやってくださいました。


とにかくすごかったです。オステオパシーだけでなく解剖生理も含め、答えられないことがありません。私が合間に個人的に疑問に思っていることを質問すると、その答えと共に、「この本を読んでみると良いよ」とか、「それは論文があるからあげるよ」と参考資料まで教えてくれます。膨大な知識が頭の中に入っています。オステオパシーの成り立ちはその当時のアメリカの歴史を参考にしながら、ご自身の考えも併せお話されておりました。その時には必ず年号つきです。オステオパシーの歴史だけではありません、講義の時にはその事柄が発表された年と論文作成者の名前が時系列で内容も含め出てきます。それも資料を見ることなしにです。頸部と神経、脳の解剖学的繋がりについても、さーっと板書してがーっと説明していきます。それがまた滅茶苦茶分かりやすいのです。オステオパシーの技法が解剖学的にも生理学的にもどのような作用を身体にもたらしているかとてもイメージしやすい講義をしてくださいます。


実技の時間も沢山ありました。骨盤から脊椎、胸郭出口へのスティルテクニック、頸椎、頭蓋底の治療、リンパへのアプローチ、腹部への治療法などなど色々なテクニックを披露してくださいました。講義と同様、実技も大変わかりやすく解説してくださいます。さらにその前の講義で十分詳しく解剖生理を説明してくださっているため、テクニックのイメージが大変しやすかったです。


さらにはとても熱心です。質問したことには一生懸命答えてくださり、実技の時は時間が許せば一人ずつちゃんと触ってくれます。途中で会長への治療が突然始まったり、最後はしっかりとデモ治療を見せてくださり、手抜きは一切なしの
3日間でありました。


英語のスピードも早く、微妙にノルウェー訛りが入る為、私の耳に慣れるまで少々大変でした。また、一応用意はしたつもりだったのですが、それでもまだまだ知らない解剖用語が出てきて訳に苦労しましたが、先生の講義の進め方が非常に良い為とても通訳がしやすかったです。


予想いじよ素晴らしい内容でしたので、参加者の先生方からもフォッサム先生をまた呼んでほしいというリクエストがありました。理事の面々も同意見でしたので交渉してみたところ、是非また来日したいということになりました。今後のテーマは色々ありましたが、覚えている所では全体治療、局所治療、発生学と筋膜、頸椎とアジャストなどなどオステオパシーのありとあらゆる領域を網羅した内容でした。さらには先生が実力、人格ともに兼ね備えている臨床経験
46年の手技だけでやっているアメリカのオステオパスまでご紹介くださいました。


今後、日本クラシカルオステオパシー協会がどのように変貌していくか分かりませんが、もしかしたらクラシカルもモダンも臨床、学術両面最高峰のオステオパスから両方学べる協会になるのかもしれません。


いやあ楽しみです!!


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by kaiondo102 | 2016-11-17 01:07 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

11月の国際セミナー

私がこんなところで書いてよいのかわかりませんが、日本クラシカルオステオパシー協会の11月の国際セミナーが直前の一か月前になって確定しました。多分5月6月くらいに一応簡単な話は決まっていたそうですがそれから全然話が進まなかったそうです。

そんなこんなで私もメッセージで色々とやり取りをしてすったもんだした挙句ようやく11月の来日が確定しました。

今回いらっしゃる先生はノルウェーのクリスチャンフォッサムという初来日の先生です。現在はノルウェーのオステオパシー大学で臨床と研究教育をされているD.Oであり、昨年のICOのカンファレンスで講義をされた先生です。フォッサム先生の詳しいことはあまり良く知りませんが、確か外国人で唯一オステオパシーの本家本元のカークスビルの大学で研究教育臨床をされていたと聞きました。去年のカンファレンスでも日本でも発売されている「スティルテクニック」の著者であるバスカーク先生と共同で色々研究及び臨床していた、なんてお話しをされていたと思います。また現代的なアメリカのオステオパシーだけでなく、クラシカルオステオパシーも学んでいたオステオパシーの百科事典みたいな先生です。

また解剖学が物凄く詳しそうです。実際にヨーロッパ各地の解剖の学会に出席して最新の解剖学の情報を学んでいるそうです。またとてもマニアックな解剖書とかもお持ちとのこと。とにかく解剖生理なら何でも知っている感じです。一つ面白かったのは、人体の解剖でもまだわかっていないことが多々あるそうです。なぜなら、遺体を解剖する際にその遺体の保存状態と時間が問題になってくるとのこと。人体の組織の中には死後すぐに無くなってしまうものもある為、どんな薬品を使って保存しているのか、死後何時間経つのかによって、解剖の結果が変わってきてしまうとおっしゃっておりました。昨年は筋膜の解剖がどのようになっているか解説、その筋膜の走行が顔面部や腕まで伸びているから、首を治療すると顔や腕まで治療できる、なんて話を確かされていたと思います。


ICO
のカンファレンスではフォッサム先生の講義は2回ありましたが、専門用語のオンパレードでした。筋肉の名前、筋膜の名前、靭帯などなど普段クラシカルオステオパシーの講義ではあまり聞かれない細かな部分の解剖用語が英語でバンバン出てきます。話のスピードも速く内容がとても濃く、オステオパシーの技法がいかに解剖学的、生理学的に整合性があるかお話しされていた記憶があります。


そんな先生の通訳をしなければいけないはめになってしまいました。個人的にはこの11月のフォッサム先生の来日が流れて、キャンベル先生が来てくれれば良いな、と思っておりましたがそうはいかなくなりました。


これからあと一か月、もう一度解剖用語をおさらいすると同時に、細かい筋肉や脳の部位などなどクラシカルの講義では出てこなさそうな語彙を調べて頭に入れておかなければなりません。


まずいです。フォッサム先生の喋りについていけるでしょうか。本当に気が重たいです。


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by kaiondo102 | 2016-10-06 22:08 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(0)

プチ・ターヘルアナトミア

アメリカでスティル博士が開発したオステオパシーは1800年後半から1900年の初頭、まるで「野火が拡がるように」全米に拡がっていったそうです。当時の西洋医学のレベルはお世辞にも高いとはいえませんし、抗生物質のような魔法の薬もありませんでしたから、オステオパシーが拡がるのも当たり前かもしれません。

そのスティルの所で治療を受けたのがイギリスから渡ってきたJMリトルジョンでした。リトルジョンは何かの病気でイギリスでは治らない、と全ての医師に宣告され、もっと乾燥したところに行け、ということでアメリカに来たそうです。リトルジョンというのはもーの凄い頭の良い人で、ありとあらゆる学業に精通しておりました。多分ニューヨークにいる時にスティルの噂を聞いたのでしょうか、カークスビルに行って治療を受けると、どの医師にも治らない、死ぬだけだ、といわれた病気が治ったそうです。そこでリトルジョンはびっくりしたのでしょう、オステオパシーを学ぶことになりました。

法医学を修めていたから生理学も修めていたのでしょう、スティルの大学で生理学を教えながらオステオパシーを学び、やがてD.Oになってからはその大学の長となり、臨床に研究にいそしんでいたようです。

やがてカークスビルの大学を離れたリトルジョンはシカゴに自身のオステオパシー大学病院を設立し、臨床、研究、教育、論文作成に多忙な日々を過ごし、やがてイギリスに帰国しました。

イギリスではBSO(ブリティッシュスクールオブオステオパシー)を設立し、イギリス国内でも臨床、研究、教育に没頭し1947年に亡くなったそうです。しかしリトルジョンの業績はジョン・ワ-ナム先生に引き継がれ、クラシカルオステオパシーという形で現在でもマービン先生、キャンベル先生、バッテン先生が受け継ぎ、ヨーロッパからカナダ、そしてこの日本にまで拡がっております。

リトルジョンの素晴らしさはそれまでスティルの解剖学的位置異常を治すことのみに終始していた考えを、さらに発展させたことです。ではその位置異常を治すとどのような生理学的な反応が身体に引き起こされ、身体は治癒にいたるのか。オステオパシー的な観点から疾患はどのように人体で作られ、その時、身体の生理学はどうなっているのだろうか。人体の力学や内臓と体表の関係、個々の疾患の背景とその原因及び治療方法を詳細に研究したことだと思います。

いわばスティルがある意味感覚的に作り上げた(勿論スティルは解剖学に精通しておりました)オステオパシーをリトルジョンはさらに医学的に深めていったのではないでしょうか。実際、リトルジョンがカークスビルを離れることは大きな頭脳的損失であったそうです。

そんなリトルジョン大先生の書き遺した論文を日本クラシカルオステオパシー協会からの依頼で翻訳をしております。ですが、これが凄く難しいのです。天才博士が書いた文章ですから、私の乏しい医学知識と英語力では太刀打ち出来ません。幸い今はネットがありますので、医学的に解らないことは調べればよいですが、英語が問題です。1900年初頭ですから森鴎外の時代になりますので100年前の日本語は現代人の我々にとって読みにくいのと同様、100年前の英語は日本人の私にとっては本当に難解です。

どうしても解らなかった文章が幾つかあるので、先日私の友人で英語の達人に解らないところを見てもらいました。すると彼も「う~ん」と唸ることたびたび、文法的にも現代とは異なっており、2人で数時間格闘してなんとかその文章を訳すことが出来ました。

その時彼が言った一言は「何か解体新書みたいだね。昔の人は相当苦労したんだろう」とのこと。勿論ネットも無い、辞書も無かった杉田玄白先生の困難な作業と比べれることはおこがましいですが、それでも「解体新書」の一言にはちょっと納得してしまいました。

11月の終わりに最もクラシカルオステオパシーを、そしてリトルジョンを最も知っているであろうクリスキャンベル先生が来日されます。キャンベル先生はまた物凄い臨床家で、患者さん一人の治療時間はだいたい10分、一日二十人以上治療するそうです。その先生のワークショップの為の資料も併せて翻訳が始まりましたので、ちょっと文句の一つも言いたくてこんな事をブログに書き連ねてしまいました。施術の方がよっぽど良いです。

私レベルの「プチ玄白」翻訳でも結構つらいのに、本当の杉田玄白先生とその御門下の御苦労は私の作業を遥かに超えているんだろうな、感じる今日この頃です。
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by kaiondo102 | 2015-10-13 00:50 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)

啐啄同時

これからのお話は私の記憶を基に、もしかしたら妄想Maxでかなり脚色があるかもしれませんが、そうであってもどうぞおゆるし下さい。

4月の終わりにイギリスに行った時のことです。ある日、みんなで食事をすることになりました。JACOのメンバー+クリス先生、サンディ先生、クリス先生のご両親、そしてキャンベル先生でした。場所はいつも良く行くタイ料理屋でしたが、レストランに行く前に、理事のB先生から結構真剣なお顔で「今日、キャンベル先生に質問があるんで通訳してもらえないですか?」と言われました。勿論、了解させていただきました。

キャンベル先生の横に私が座り、私の前にB先生が座りました。少し落ち着いた所で、B先生の質問は始まりました。

まず第一の質問は「リズム」というのは何であり、受講生にもどう伝えて良いか苦労しているし、多分ご自身でもどう理解して良いのか困っている、的な質問だったと思います。

キャンベル先生は一言「一つ言えるのはギターを弾く時にまず弦を調律するだろ、それに似ている」というお答え。また、「身体の各部位にはそれぞれのリズムがある。今度はそれぞれのリズムをまとめてオーケストラのようにハーモニーを作る。我々はその時、指揮者でもあるんだ」とのお答え。

う~ん、私はこの瞬間感動で身震いしてしまう、といいますか魂が震えました。

多分B先生はずーっとこのリズムは何か?ということをクラシカルを学んでから考えられてきたのではないでしょうか。クラシカルは身体のリズムを調整すること、とよく講義の中で語られます。しかし、そのリズムというものをどれだけの人が頭でなく身体で理解しているのでしょうか?身体全身のリズム、臓器それぞれのリズム、クラシカルの云うリズムは多分他のオステオパシーの流派がいうCRIやら内臓の自動力的な一分間に何回、とか決められたものではない感じがします。へぼな調律師とこの道30年の調律師が調律したギターの音色がまったく違うように、初心者の指揮者とヘルベルトフォンカラヤンが同じ指揮をしてもまったく違った音を聞き分け、まったく違ったメロディーを奏で上げるように、きっとクラシカルのリズムというのも、それぞれの術者のレベルによってまったく違ったものとして感じられるのかもしれません。

そしてB先生もきっと一分間に何回という定型的なものである、と考えられず、かといってクラシカルの根幹であるリズムを自分の臨床の中で、そして受講生の方たちにお伝えする為に自分の言葉にして理解しなければなりません。しかし、そのような定型的なものでないクラシカルのリズムはそう簡単に理解することは不可能でしょうし、それを自分の言葉にして、さらに受講生に伝えるのは至難の業であると思います。ずーっとずーっと事ある度にこのリズムの自問自答はB先生のエロい頭の中で膨らんで熟成してきていたのではないでしょうか。

一方、キャンベル先生も一言「ギターの調律」「オーケストラの指揮者」と簡単におっしゃいますが、30年にも渡る真剣な臨床と研究の末のお言葉である感じがします。きっとキャンベル先生の中でもリトルジョンが云うリズムとは何か、という模索がこの30年あったと思いますし、そしてこれからも模索を続けられるのではないでしょうか。

私はこのキャンベル先生とB先生の質疑応答を通訳しながら、禅でいう啐啄同時とはこのことかもしれない、と魂が震えました。B先生の中で熟成してきたこのリズムという公案がキャンベル先生の一言によって、今までこもっていた殻の中からひな鳥が出てくるようにぶわっと悟りに至った瞬間に立ち会えた機がします。

もちろん一休さんか白隠禅師も「人生で何百回悟ったか解らない!」とおっしゃられていたように、一度悟ったからといって終わりになるのではないのと同様に、これからもB先生は再びリズムという公案に違った形で向きあい、そして次なる悟りを得ていくのではしょうか。

あの時の衝撃と感動、魂の震えは今でもありありと私の心の中で再現することができます。そして道を志し、極めていこう、とするのはこういうことなんだ、と同じ臨床の道を歩くものとして本当に素晴らしい機会に巡り合うことが出来ました。正直、この話をつまみに今でも3時間は酒を飲むことが出来ます。

そんなキャンベル先生がまたこの11月に来日されます。こんな素晴らしい機会はこれからめったにないと思いますが、その機会がありましたら先生方のお役に少しでも立てるように、キャンベル先生の心を自分に移すつもりで通訳していければ、と思います。
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by kaiondo102 | 2015-09-14 23:39 | セミナー 海外 通訳 | Trackback | Comments(2)