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日々、治療雑感


均整法、長野式、オステオパシーを学び開業している一治療家の雑感
by kaiondo102
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なんちゃってAKA 2

AKAの本を読み、自分なりに物凄い効果を感じていたAKAですが、本当のAKAを学んだ先生に一度本物を見せていただきましたが、私のなんちゃってとは全然違うものでした。腸骨と仙骨を動かす方向も私がやっているのより何方向か多かった感じがしましたし、圧ももっとダイナミックなものでありました。

いつも疑問なのが、関節を動かすにあたっての適切な圧というものです。クラシカルオステオパシーなんかでは、仙骨と腸骨の関係を修正するには、患者が横向きで身体をグッとひねられながら術者はその上にある程度の体重を乗せ、ボキっとやったり、あるいは座位で上半身をグイっと捻じり仙骨を腸骨の中で動かす、という手法を主に使います。また足をグイっと刹那的に牽引し腸骨の位置を修正する技法もありますが、いずれもかなり強い力でやります。私が学んだ均整でも、骨格矯正はかなり強い力で行っておりました。しかしいつも通訳しながら疑問だったのは、そんな強い力(私にとってですが・・)でグイっとやったりして本当に仙骨と腸骨の動きは改善するのか?ということでした。

というのも骨盤というのは上半身の荷重と地面からくる力を受けるため非常い強い構造になっているそうです。腸骨の間に仙骨が嵌り、それを崩さないよう強い靭帯が幾つも付着しています。また沢山の筋肉もここに付着しています。私がアメリカの高校時代レスリングを始めた時のコーチは軍隊出身でプロレスラーをやっていたゴリラみたいな先生でした。その先生はいつも「ヒップパワー!ヒップパワー!」といっており、人体で一番強力なのはこの臀部から腰部にかけてだからこの部分を上手く使え!というご指導をされていたのを覚えています。

そんな人体の中でも強靭かつ強力な部分に対し、そこを修正するのに本当にあんな力で施術して仙骨と腸骨に変化を作れるものなのでしょうか?もしそうであれば、人間は10㎝の階段からジャンプしてもかなりの衝撃になりますが、その衝撃でも簡単に骨盤はズレてしまうのではないでしょうか?私もボクシングをやったり太気拳で組手をやってかなり頭部をボコボコに殴られました。レスリングではタックルを受け、腰をマットに強打したことも一度だけではありません。グイっとやって骨が動くなら、私の前頭骨は今頃右に5㎝くらいズレ、骨盤も全く定位置にはないてはずです。

しかしそんな衝撃を身体に受けながら、私の身体は一応人間の形を保っています。ほとんどの方も10㎝の高さから飛び降りても骨盤がズレるころもありません。となると、クラシカルや均整に良く見られるあのグイっとやるような手法が本当に人体の支持構造に影響を与え、関節の動きを良くすることが出来るのでしょうか?非常に疑問です。

※ちなみに2年目からのレスリングのコーチは、ミュンヘンオリンピックに出場し先日他界された山本kid選手の御父上の山本郁栄先生と同じ階級でグレコローマンで闘った先生でした。初めて会った時「お前はイクエイ・ヤマモトは知っているか?彼は強かったぞ!!」と言われ、同じ日本人なので私も強いと勘違いされました。しかし練習が始まってみるとがっかりされたのは言うまでもありません。








# by kaiondo102 | 2018-11-16 23:52 | 臨床雑記 | Comments(0)

なんちゃつてAKA

中学2年の頃、となりに住んでいるおばさんが一冊の本を貸してくれました。タイトルは良く覚えておりませんが、骨盤調整法の本であり、現代医学では動かないとされている仙腸関節は動き、その仙腸関節を良くすると万病に効果がある、という本でした。アトピーと近視に悩んでいた私はその本をむさぼり読みました。そしてその本の中には「オステオパシー」の言葉もあり、初めて知る言葉でしたが、そのオステオパシーという響きにゾクっとしました。それから数十年後のオステオパシーとの出会いと別れを予見したのかもしれません。

それ以来、仙腸関節の存在が常に頭のどこかに存在しておりました。

開業してなかなか治せずに苦しんでいた時、AKAという技法があるのを耳にしました。どうやら仙腸関節を中心にあちこちの関節を整える技術であり、腰痛で困っている患者さんもこれで良くなる!!という技法でした。早速、本を購入して自分なりにやってみますととても効果があります。誇張法にも繋がる所があり、開業して20年経つ現在も腰痛の患者さんには良く使わせていただきます。

50代男性、朝起きたら急に腰が動かなくなり痛みでベッドから降りるのが一苦労だったそうです。前屈、後屈ほとんど出来ません。いつも通り施術、うつ伏せから仰向けになる時に滅茶苦茶痛そうです。帯脈を緩め、肩甲骨を緩め起き上がってもらおうとすると、痛みで簡単に起き上がることが出来ません。そこで頑張って痛みのある左腰を上にしてもらいます。そこでなんちゃってAKA。今度は右を上に寝返ってもらいます。少し動きがスムーズです。右をなんちゃって、そしてまた左、右、左と操作すると、どんどん寝返りが良くなります。寝返りの痛みがほとんどなくなった所で立ってもらいます。後屈はスムーズに出来るようになりましたが、前屈はまだ少し苦しそうです。そこで凸凹操作を二回すると、かなりスムーズに前屈が出来るようになりました。患者さん、「これで週末のハーフマラソンには出場できそうです」とのこと。

80代女性、左右の膝が痛みます。歩いている時だけでなく、夜寝ている時にじんじん痛み、寝返りすると膝がかなり痛むそうです。最初の数回はいつも通り全体を整え、膝の誇張法を行いました。すると歩いている時の痛みはかなり楽になり、また夜のじんじんする痛みも無くなりました。ですが寝返りを打つ時まだ膝が痛いそうです。このおばあちゃん、仙骨がやけに硬いのが気になります。そこで膝の操作はちょっとにして、仙骨の動きを良くするようなんちゃってAKAをやってみました。なんちゃってAKAを入れて施術すること3回繰り返すと、夜の寝返りの痛みは無くなりました。

70代女性、急に右の股関節が痛みびっこを引いています。特に寝返りを打つと股関節が痛むそうです。一回目はなんちゃってAKAを入れず操作しましたが、楽にはなるものの今一つです。2回目にそういえば寝返りが痛いとのことなのでなんちゃってAKAを入れてみました。すると3回目に来院されたときには、痛みはゼロになったと大変不思議がっておられました。

このなんちゃってAKAですが、寝返りが打てないことに非常に効果がありそうです。それも腰痛だけでなく膝や股関節が寝返り時に痛い、という方にも効果があります。


# by kaiondo102 | 2018-11-09 23:09 | 臨床雑記 | Comments(2)

リンパポンプを考える 4

最近出版された本に「閃く経絡」という本があります。この本は原題を「The spark in the Machine」といい、イギリスのERのドクターでもあり、中国で鍼灸の勉強をしたダニエルキーオンという先生が書かれたものです。ご著書を拝読すると、どうやら鍼灸には昔から興味があり、鍼灸を学ぶためまず医学部に入られた、現代の丸山昌朗先生のようなお方であります。現在はそのままERの医師として働きながら、そこで鍼灸の技法を応用して治療したり、あとご自身の鍼灸のクリニックをもってそこで治療もされているようです。

キーオン先生はこの本の中で、経絡は筋膜と筋膜の間に存在する一つの情報伝達経路であり、気というものは人体各部位の発生に先立ってみられる放電現象的なものでもある、とおっしゃれています。特に前半は発生学と経絡的な内容なので非常に読むのが難しかったですが、後半は東洋医学の五臓六腑を生理学的に解説するセクションですので、こちらは私の頭にも入りやすかったです。

先生曰く、東洋医学の五臓六腑のそれぞれの働きは、ある程度ホルモンで説明できるとのこと。例えば、肝はヒスタミンを分解しますが、肝の状態が悪くなるとこのヒスタミンを上手く分解出来ず、婦人科系の問題やアレルギー、精神的な問題に繋がったりするとのこと。また解剖学的にみても肝臓と腹腔内の臓器の繋がりから、腹腔内の循環不良を作り出しやすい、と書かれておりました。また脾の免疫器官としての存在だけでなく、膵臓とセロトニンとの関係、腎のアドレナリンやドーパミンとの関係も書かれており、非常に臨床のヒントになる本でもありました。

そうすると肝臓脾臓ポンプによって肝臓と脾臓の機能を整えることが可能であれば、アトピーや喘息といったアレルギー、糖尿病とそれからくる末梢神経のトラブル、卵巣嚢腫、胃腸のトラブル、そしてうつやパーキンソンといった症状にも効果があることも考えられます。実際、リンパポンプを行うとアトピーの方の顔の赤みが薄くなったりかゆみが大幅に減ったりします。これはリンパポンプによって肝臓の機能が正常化し、ヒスタミンを効果的に分解出来るようになったからかもしれません。

先生は本だけでなく、YouTubeでも幾つか動画をアップされており、この閃く経絡のインタビュー動画だけでなく、なぜ膀胱経の背部兪穴は各臓器とリンクするのか、発生学的に解説されております。英語が分かり、経絡に興味がある方は是非ご覧になってください。

オステオパシー的にも経絡的にも効果のありそうなリンパポンプ。今後も使って色々な症状にどこまで効果があるか見てみたいと思っております。







# by kaiondo102 | 2018-11-01 23:58 | 臨床雑記 | Comments(2)

リンパポンプを考える 3

痛みの出ている部分とは全く関係なさそうなところを施術してその痛みがとれるという体験は、あらためて身体は繋がっているということを感じさせてくれ、かつ東洋医学の理論の正しさを実感出来る瞬間でもあります。

ではどうして肝臓と脾臓のリンパポンプが四肢の痛みに効果があるのでしょうか?

まず考えられるのが横隔膜への影響です。肝脾ポンプは基本的に私は両期門、だいたいR9の肋骨の下に母指を当てポンプをします。この部分はちょうど横隔膜の前側の付着部であるとのこと。圧痛があっても痛くないようにポンプしていると、少しすると圧痛が無くなる事を考えますと、このリンパポンプはまず腹筋を緩めてから横隔膜まで緩めていると考えられるます。この横隔膜というのは呼吸を介して生命の維持に関わるだけでなく、体幹を安定させることに寄与するため四肢の運動を助ける働きがある、と何かの本で読んだことがありますので、この横隔膜を緩めて機能を向上されれば、そのお蔭で四肢の痛みが軽減してくれるのでしょう。

ロバートフルフォード先生曰く、ショックやストレスで横隔膜が上方にめくれあがってしまうことがあるそうです。その時は横隔膜をリリースすると今度は腹斜筋まで緩み呼吸が深くなるとのこと。腹斜筋イコール長野式では帯脈です。長野先生は帯脈への鍼でありとあらゆる部分の痛みとっておられました。横隔膜がゆるみ、帯脈がゆるむことで長野式の帯脈治療の効果に重なるところもあるのかもしれません。

数年前のクリスチャンフォッサム先生の講義では確か横隔膜の脊椎側の付着部がD11であり、そこは腰方形筋と大腰筋の付着部でもあり3つの筋肉が重なり合っている、と聞いたことがあります。ということは横隔膜への施術は腰痛だけでなく下半身にトラブルを作り出すことが多いこの腰方形筋及び大腰筋を間接的に緩めることも考えられます。

また肝臓をポンプすることは鬱滞しやすい肝臓の中の血液の動きをスムーズにすることで肝臓を軽量化し、右肩や右の背中、右首への負担を軽減させるだけでなく、右の骨盤へかかる荷重も軽くしてくれます。さらに東洋医学的に考えれば肝臓は靭帯、脾臓は肌肉(筋膜及び筋肉)を司る為、肝脾ポンプによって肝臓と脾臓の機能が改善し、靭帯や肌肉の状態も併せて改善すると考えられます。

シンプルイズザベストという言葉が思い浮かびますが、リンパポンプのような本当に簡単な技法で幅広い効果を得ることが出来るは非常にうれしいことであります。


# by kaiondo102 | 2018-10-24 23:42 | 臨床雑記 | Comments(0)

リンパポンプを考える 2

どうやら海外ではリンパポンプ技法は風邪を始めとする呼吸器系の疾患に対して主に用いるようですが、最近色々実験してみますと筋骨格系の痛みにも効果があります。

40代の女性、産後に始まっためまいで来院されておりますが、めまい以外にも色々あります。お話を伺うと、どうも肝臓に負担が掛かっている感じがします。右の中指も痛みます。そこで肝臓に対するリンパポンプを行うとあら不思議、その場で中指の痛みがかなり軽減します。2回程施術するとその中指の痛みは指を全く施術しなくても無くなったそうです。

50代女性、この方も右手の中指の痛み(ばね指)を訴えておりましたが、肝臓リンパポンプで痛みがなくなり、動きも一生懸命中指を誇張法で操作していた時よりもスムーズになりました。

60代女性、右の四十肩のような痛み。ここ数か月、右肩が痛むということで施術をしておりました。右の鎖骨のところが特に気になるとのこと。いつも通り肩甲骨回りを緩め、鎖骨の調整をすると痛みはとれますが、数日後にまた痛みが戻ってくるそうです。数回調整しましたが、痛みの戻りが必ずあるので肝臓のリンパポンプを入れてみました。すると肩回りを操作しなくても痛みが大幅に軽減します。2回程リンパポンプをいれた施術すると3回目からは右肩の痛みがほとんど気にならなくなったそうです。

70代女性、左肩の痛み。最近ストレスが強く、すると左肩が痛くなってきたとのこと。巨闕に対してリンパポンプを行うと肩がすっと挙がります。

40代女性、左肘の痛み。こけて左肘をぶつけたそうです。曲げ伸ばしがつらく、押さえても飛び上がるくらい痛みます。そこで脾臓へのリンパポンプを行うと、曲げ伸ばしがスムーズに出来るようになり、押さえた所の痛みも大きく軽減します。2回施術したら、痛みがとれました。

その他にも肩こりや頭痛がらくになったりしました。このリンパポンプ技法を何とかの一つ覚えみたいに呼吸器疾患だけに使うのはもったいないです。色々考えればかなり応用範囲は広いはずです。


# by kaiondo102 | 2018-10-12 23:18 | 臨床雑記 | Comments(2)